iPhone用のレーシングゲームのすべて
iPhone用の「アスファルト4」はレーシングゲームとしては秀逸で、ニトロを使った加速性の良さが爽快感をもたらした。
しかし、他の携帯向けの同タイトルからの移植らしく、fps(frames per second : 一秒間の描画数)はそんなに高くなかった。
本気でiPhone用にプログラムを書けばどれくらいのfpsが出るのだろう?
そこに出てきたのが「Racing Thunder」だ。非常になめらかな走りだ。fpsも相当高い。「アスファルト4」とは比べものにならない。たぶん、15~30fpsぐらい出ているだろう。
「Racing Thunder」をやったあとに「アスファルト4」をやると、「なんだこのカクカクは…」と思わずにいられない。
でも、「Racing Thunder」は風景が単調で、ゲームとしてあまり面白くなく、最初のうちはスタート同時にライバルの車がはるか前方に行ってしまい、ゴールまで一切他の車が見えないこともしばしばだ。これ本当にレーシングゲーム?という感じではある。
私がよく覚えているのは、Namcoの「Final Lap」(1987)で、この作品はその前のポールポジションの流れを組むものだった。ゲーセンでは8人まで通信(筐体間リンク)で対戦出来た。
「Final Lap」は現在の順位に応じて加速性能やトップスピード、タイヤのグリップ力が変化する。(下位のプレイヤーのほうが有利になるように作られている) レーシングゲームには、このような弱者救済のシステムが無いと、「ゴールまで一切他の車が見えない」なんてことになりかねない。
そういう意味では、「Racing Thunder」は「Final Lap」から何も学ばなかったのかという感じではある。
道路上の雷マークを取るとトップスピードがあがるのだが、先頭車両に追いつくには、それだけでは全然足りない。また、雷マークを取るために急に車線変更しようものなら、路肩で擦ってすぐに減速する。おまけに「Racing Thunder」には、コースのセレクトもなければ、ミニマップも無い。
つまり、コースを是が非でも覚えなければならないのだ。「コースを覚えない奴には先に進ませませんよ」という作り手の意志みたいなものを感じる。そういう意味では、いまどき紙の上にダンジョンのマップを記録していかなければならないRPGにも似た古めかしさを感じる。
せっかくなので、他のiPhone向けのレーシングゲームも片っ端から(たぶんiPhone向けに発売されているものすべて?)購入したので、寸評を書いておく。
・Head2Head 3D Racing
テクスチャが汚いし、造形物も素人くさい。「絵心のない人がフリーの3Dツールで描いてもここまでひどくはならないと思うんだが…」というレベル。お金の無駄。絶対買ってはならない。
Namcoのなつかしの同作品がiPhoneで登場。リメイクしてあるものの、もとが1982年のゲームだし、他の車に軽く接触しただけで即爆死なので、1,200円もするし、オリジナルを知らない人には全くお勧めできない。
・GTS World Racing
背景は単調だが描画はなめらか。ただ、他のゲームに比べると敵の車が遅く、自分の車も遅い気がする。スピード感がまったくない。完成度としては低くはないが、これに900円を出すならRacing Thunderに900円を出すかなぁ…。
・Cro-Mag Rally
原人になって木と石で出来た(?)車で走るレースゲーム。マリオカートっぽい。230円だしまあ悪くはないと思う。
・クラッシュバンディクーニトロカート3D
こちらもマリオカート型のゲーム。道に落ちている箱を取ると爆弾などが出てきてライバルの車に投げつけたりできる。Cro-Mag Rallyよりはこちらのほうが完成度が高い。現在700円。
・Moto Chaser
ストーリー型のバイクのゲーム。「頭文字D」を意識してあるような、してないような。レーシングというよりは、いかに早くゴールに行けるかなのだが、ときどきライバルのバイクが邪魔をしてくる。背景はSegaの「POWER DRIFT」(1988)に似てるような。まあ、600円だし、買ってもいいんじゃないかと。
あと、2,3作やったはずなのだが、あまりにひどい出来だったので速攻消したためタイトルがわからない。