やねうら王、電王戦バージョン提出しました


電王戦出場バージョンのやねうら王、提出期限が今日までだ。定跡は16手目までしか出来なかった。32手目までの定跡は1/4ほど出来たが、全部作るにはあと1ヶ月ほどかかりそう…。(要するに今回は間に合わない)


部屋のPCはフル稼働で、冬だというのに暖房を入れなくても暖かい。それどころか日中は冷房を入れないと暑くて部屋に居られないぐらいだ。


肝心のおもてなし定跡だが、後手番ということもあって、あまり芳しくない。後手番だと評価値が-100ぐらいからスタートする。AWAKEの巨瀬さんに「序盤で評価値-100の局面から指し継がせたとき、-100側は勝率3%ぐらい落ちますよね?」と尋ねたら「もっとじゃないかな…。5%ぐらい?」と返ってきたので、もしかしたら、コンピューター将棋では後手番は勝率45%ぐらいなのかも知れない。


Bonanza6と10分切れ負けで100戦させたら95-2-3。負けた3局はいずれもやねうら王が後手番だ。悪い予感しかしない。


あと、おもてなし定跡のため、評価値-200までは許容するようになっているので、下手な定跡に突っ込むとたぶん10%ぐらい勝率が下がる。定跡がたくさん搭載してあって事前研究で必勝パターンを見つけられないことが大切だが、後手番だと先手の初手でいきなり定跡を外すことだって可能なのでいかにも危うい。


定跡の穴は結構ありそうな気はする。やねうら王が好んで指す、横歩取り33桂戦法とか。ただ、激しい戦型なので指すほうも怖いと思うのだが、事前研究が十分あればそうでもないのかな…。


せっかくなのでランニングを兼ねて評価関数テーブルの値が別のバージョンをfloodgateに投入してみた。



一応、ponderと置換表32768MB設定で、きちんと動いているようで一安心。


これでやっとやねうら王2015の開発に入れる。


あ、その前にひまわり将棋(人間の棋譜を参考にしない)×やねうら王 = ひまうら王の公開実験を年末にやる予定だ。駒得のみの評価関数のやねうら王より強くなるのか弱くなるのかすら実験してみないとわからない。それがこの年末から年明け(1月15日ごろまで?)にかけて判明するというわけだ。Bonanza6と同等の強さになれば大成功と言えるだろう。なお、ひまうら王は思考エンジンのバイナリを公開する。楽しみに待たれよ。