読まなければならない本

まるごと☆ゆうこりん


子供のころ、人と話すのが苦手だった。本がともかく好きで、時間を見つけては本ばかり読んでいた。そのせいもあってか、私は本を読むのが相当速かった。人の話は、遅すぎて話が終わるのを待つに忍びず、授業中も先生が話す言葉はビデオのコマ送り再生かのようにスローに感じられた。本さえあれば幸せだった。大学に行ったあとも、食費を削ってでも本を買い続けた。当時の自分にとって、知的劣等感を充足させてくれる唯一の存在が本だったのだ。いまでも毎月、十何万も書籍に使うのは、きっと、その後遺症なのだろう。


それでいて、私が読むのはほとんどが専門書籍で、小説はそんなに多く読むわけではない。毎月、1冊読むか読まないか程度で、一番最後に読んだ本はと言えば先月読んだ村上春樹の「スプートニクの恋人」(ISBN:4062731290)だ。これは、村上春樹の新刊「アフターダーク」(ISBN:4062125366)が先月発刊になったのでそれを買う前に駆け込み乗車的に読んだものだ。おそらく、こんなペースではあと50年生きながらえたとしても死ぬまでに500冊程度しか小説を読めないだろう。現時点で本棚に眠っている2000冊の小説はどうしてくれようか。今後、発売になる小説のことも考慮すると、死ぬまでかけてもこの本棚の本は300冊ぐらいしか読めない計算だ。残りの1700冊は読まずじまいだろう。とどのつまり、これらはゴミでしかないのだ。


ジョルジュ・バタイユも、ヘーゲルも、もはや私によって読まれることはないだろう。
この際だから全部捨ててしまおう。


さらば、バタイユ。さらば、ヘーゲル


そして、こんにちは、小倉優子写真集「まるごと☆ゆうこりん」..