弓月城太郎が遊びにきた


神秘体験
神秘体験
posted with amazlet at 10.02.17
弓月 城太郎
eブックランド
売り上げランキング: 9517
おすすめ度の平均: 4.5
4 希少なサイエンス本
5 深い知性を土台に神秘現象を科学で裏付け。

『神秘体験』の弓月城太郎が遊びにきた。紆余曲折を経て、仲良くなったのだ。いまでは親しい間柄だ。彼からは『神秘体験』を1冊プレゼントしてもらった。


「もらっても速攻裁断するぞ」と私が言うと「ならもう一冊やるよ」と弓月がもう一冊を私に差し出した。


「いや、2冊もらっても1冊取り込んだあとはもう一冊は捨てちゃうよ」と私が言うと弓月は残念そうに「そうか…」と言って出した本をひっこめた。

私 「弓月、『神秘体験』だけど、その本、結局書くのにどれだけかかったんだ?」
弓月「『異端の饗宴』もあわせて8年だな。まあ、その間、小説ばかり書いていたわけじゃないが」
私 「『異端の饗宴』はどんな小説なんだ?」
弓月「『異端の饗宴』はやねうらおが読むと震え上がるような恐怖のストーカー小説だが、『神秘体験』が売れないとこの作品は世に出ない」
私 「作家として生計を立てるつもりだったのか?」
弓月「いや、もともとお金が欲しかったわけじゃないんだ。ライフワークを世に出したかっただけなんだ。自分の人生は無駄ではなかったと思いたいだけなのかもしれないが」
私 「そこをもう少し詳しく聞かせてくれ」
弓月「最初は、凄い話が書けたと思ったんだ。作品を書くために実に多くの本を読んだ。著名人の知見といっても玉石混淆で、川底をさらって砂金を集め、そこから何かを創り上げる作業のようだった。それらすべての本を読破するより、この一冊を読むほうが価値があると胸を張れる作品が書けた。今、科学のいちばん熱い研究のテーマは「脳」だろう。記憶のデータ構造、自意識、自由意志、思考、直観力、創造性、ニューラルネットの自己組織化、DNAの突然変異から死後の世界、超常現象、神秘体験まで全部説明するような本は科学の一般書はおろかSF作品の中にも無いだろう」
私 「無いね」
弓月「だから世の中から驚きと喝采をもって迎えられると思ったんだ。今の状況が不思議でならない。本当に不思議だ。書かれていることの重大さに気付かないのだろうか?8年かけて結果がこれでは終れない」
私 「いや、まだ終わったとは限らないだろ。しかし、完成まで8年ということは、完成してからまた何年もたってるから、着手したのは相当昔だな」
弓月「書き始めたのが、ちょうど長野オリンピックが終わった頃で、日本中がフィギュアスケート・ブームに沸き立っていたこともあって作品にも影響が表れている。その当時パソコンを持っていなかったから手書きだった。400字詰原稿用紙で20センチくらいの厚さになった。それを推敲のために後から全部 Word で打ち直したんだ」
私 「へー。それはまた本格的だな。読者からの反響はどうだ?」
弓月「実際に読んだ人からは面白いという感想をよく聞く。でも、読まれる以前にスルーされている感じがするんだな。深い内容だから一般向きしないのかも知れない」


ここで弓月は神秘体験とは何かを説明しはじめたが、私にはよくわからないので彼のブログをどうぞ。
(1)→ http://blogs.yahoo.co.jp/yuzukijoutarou/7956858.html
(2)→ http://blogs.yahoo.co.jp/yuzukijoutarou/1649282.html


弓月「どうだわかったか?」
私 「よくわからん。一般大衆が興味があるのは脳の機能とかメカニズムじゃなくて、脳の活用法とか記憶術とか、そっちの話だろ」
弓月「いや、私はてっきりみんなが脳の機能とか超常現象のメカニズムとか死後に意識が残るかとか、世の中の不思議に関心があるとばっかり思っていたんだ」
私 「そういうのを書いても関心がある人は限られていると思うよ」
弓月「それでも読むべき人には読んで欲しかったんだ」
私 「そうか。なら、無料で公開したらどうだ?たくさんの人に読んで欲しいわけだろ?」
弓月「たくさんの人に読んでもらいたいのはそうだけど、無料だとフリーペーパーと同じような気持ちで読まれかねない。自分で言うのも何だが、科学の常識の盲点を突くような内容だから、思考停止しないようにじっくり腰を据えて読んでもらいたい」
私 「ややこしい奴だな。お金はどうでもよくて、たくさんの人に読んでもらいたいという気持ちがあるんだな?」
弓月「ある。私は金目当てじゃない。私にはこの作品に書いてある知見を世に広める使命があるんだ。私は消えても、この作品だけは残さなくてはいけない」
私 「ならいい方法があるよ。私のブログにスキャンしたpdfをアップするんだ。まあ無料公開と言えば無料公開なんだけど、少なくともフリーペーパーみたいには扱われないだろう」
弓月「そうしたら読んでもらえるのだろうか?」
私 「まあ批判とか中傷もそれなりにくるだろうけどな」
弓月「批判はともかく悪意のある中傷は困る。そういうコメントがついたら削除してくれよ(笑)」
私 「ははは。まあ、最後まで読んでもらえるかどうかまでは私は知らん。でも数万人の目には触れるだろう。何パーセントかの人は悪意をいだくかも知れないし、何パーセントかの人は好意を持つかも知れない。どちらにせよ、敵も味方も増えるだろう。多くの人の目に触れるというのはそういうことだから」
弓月「やねうらおのブログだったら私を嫌っている人間が多いんじゃないのか?」
私 「弓月、それは違うと思うよ。例えば、私のブログに1000人の読者が来たとする。別に彼ら/彼女らは、私を好いても嫌ってもいないと思うよ。多くの人は中立だ。顔も見たことのない人に対して、好きだとか嫌いだとか、まして憎むだとか愛するだとか、そういう感情を普通はいだかない。赤の他人が何を書いていようと、ある程度距離を保って見つめるもんだよ。だから98%ぐらいの人は、別に個人的な感情は何もいだかないと思う。だけど1,2%の人は違う。その人たちは熱狂的に好意を持ったり、偏執的な悪意を持ったりする。そして、そういう人たちは衝動的に好意に満ちた/敵意に満ちたコメントを残したりする。loud minority(騒がしい少数派)なんだ」
弓月「そういうもんか?」
私 「ブログの訪問者のうち、はてブしたりコメントを残したりする人が多数派に見えるが、実のところ彼ら/彼女らは全体の5%にも満たない。普通、赤の他人のブログで何か自分の気になることが書いてあっても、わざわざそこにコメントしたり、はてブでdisったり(ネガティブコメント書いたり)すると思うか?仮に書いてある内容が技術的に見て間違ってようと、反社会的で非人道的であろうと、わざわざコメントを残して書き手に伝えようとするか?」
弓月「彼ら/彼女らは、自分の書きたい、伝えたい、発言したいという衝動を抑えきれないということか?」
私 「うん。私はそれが駄目だと言っているんじゃない。そういう衝動を完全に失ってしまったら私は人間として終わりだと思う。しかし、赤の他人のブログを見て荒らしまがいの書き込みをしたい衝動にかられる人は明らかに多数派ではない。例えば、私のブログの訪問者のうち、コメントを書いたりはてブをしたりするのは、全体の5%にも満たない。95%の訪問者は、何もせずだ。ざっと流し読みして、自分の得たい情報だけ得たら時間がもったいないからとブラウザを即座に閉じる人もいるだろう。自分の知りたい記事の知りたい部分だけを読んであとは読まずに閉じる人もいるだろう。自分の興味のある分野の記事のときだけ読みにくる人もいるだろう。その関わり方は様々だ。だから、コメントを書いたり、はてブをしたりするのは少数派だと考えるべきだ。彼ら/彼女らは決して全体の代表ではない」
弓月「ふーん、なるほどな。私としては批判も好意的な意見も両方聞いてみたい。敵と味方が両方増えるとすれば、このあと海が割れる奇蹟が見れるかもしれないな」


弓月との話はこの先もしばらく続いた。時には彼から教えられたり、ときにはこちらが教えたり。


まあ、ともかく、そんな経緯で『神秘体験』の全ページをスキャンしたpdfをこのブログで公開する運びとなった。


最初の30ページ読んで面白くなかったらそこで読むのをやめると彼に宣言していたのだが、『神秘体験』は実際読んでみると思っていたより面白かった。徹夜して読んだので、読み終わったときは朝になっていた。個人的にはコンピュータ将棋のあたりが面白かった。


・神秘体験全文pdf


神秘体験 ここからダウンロードできます。(外部サイト) → http://yuzukijoutarou.3rin.net:80/


・弓月側の記事→http://blogs.yahoo.co.jp/yuzukijoutarou/30730438.html