ミクロボを作ろう!
この記事は、「Web 0.5実験」(→ http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20100313 )の一環です。
今回は、ミクロボを作っていきます。
まず、取り出しましたるは、ペパクラデザイナー3+六角大王SuperLE これさえあれば紙とハサミと糊だけで何だって作れちゃいますね!
今回は、作業を楽にするために、
・グラフテック 小型カッティングプロッタ CC330-20 CC330-20
・KOKUYO カラーレーザー&カラーコピー用紙(厚紙用紙) A4 100枚 LBP-F31
を使ってやってみます。
カッティングプロッタは、いわゆるペンプロッタですが、ペンの代わりにカッターをセットしてあり、勝手に切断してくれるらしいです。
切り取り線以外にも山折、谷折りのところにミシン目を入れることもできるので、組み立てやすいです。
■ テスト1
実際に簡単な造形でやってみます。
まず、レーザープリンタでケント紙に印刷できるかをテストするため、簡単なプリミティブでテストしてみます。
ケント紙だと、緑色が印刷されません。左が普通紙。右(真ん中)がケント紙です。あと、ケント紙のほうは印刷したとき少し丸まります。
※ 原因調査中→原因わかりました。紙をトレイにセットするときに事前に少し丸めておくとうまく印刷されました。
下図のように紙のまんなかが上に出っ張るように丸めてセットするとうまくいきました。
次にカッティングプリンターで切断してみます。台紙にセットします。台紙は粘着テープのようになっていて、たぶん10〜20回ぐらい使うとくっつかなくなります。
そのあと、トンボの内側にプロッタの先がくるようにパソコン側で上下左右に紙を動かして調整します。詳しくは、カッティングプロッタのマニュアルを。
カッティングプロッタを使うには、CraftROBO対応版のペパクラビュアー(→ http://www.tamasoft.co.jp/pepakura/download/viewer_cut.html )が必要です。価格は税込1,575円。設定をいろいろいじれば、ペパクラデザイナーでもカッティングプロッタが使えるのですが、いろいろ面倒らしいので素直にCraftROBO対応版のペパクラビュアーを購入します。
CraftROBO対応版のペパクラビュアーを使って印刷しないとトンボが印刷できません。(ペパクラデザイナーのほうも複数ページにまたがる場合は、トンボを印刷する機能があるのですが、1ページだとトンボを印刷できません。ダミーのページを追加して、1ページ目だけ印刷してトンボを印刷することもできますが、それ以外にもいろいろ面倒なので、「CraftROBO対応版のペパクラビュアー」の購入をお勧めします。)
うまくカッティングできました。切り込み深さはカッターの歯を変えたり、パソコン側で設定したりすることで微調整ができます。
上の写真のは、少し浅かったです。台紙を貫通しない程度に深いほうが切り離しやすくていいでしょう。
■ ミクロボを設計する
設計は、1分で完了!さて、これをどうやって動かすかですが、それはあとのお楽しみ。
■ 初音ミクのペパクラデザイナー用のデータ
初音ミクのペパクラデザイナー用のデータは、「初音ミク ペーパークラフト完成ヽ(゚∀゚)ノ」(cafetera → http://cafetera.blog114.fc2.com/blog-entry-24.html )からお借りすることにします。
ええと、設計図の大きさにするためには、2.03倍にする必要がありそうです。拡大カラーコピーしてもいいのですが、それではカッティングプロッタが使えないので、ペパクラデザイナーで読み込んで、2.03倍の倍率を設定して、展開図を作成してみました。
各パーツは展開後、マウスで自由に移動・回転させることができるのでうまく少ない紙に収まるように調整しました。14枚です。髪の毛のパーツが、2ページに渡っていたりして少し面倒ですが。
■ サーボを用意する
今回は、プチロボ改(ロボット素材キット)を使います。付属部品などの詳細についてはこちら( → http://robot.kyohritsu.com/wonderoid/wrpr2/index.html )
普通、模型用のサーボは、安いものでも1500円ぐらいしますし、制御基板も16chのものだと1万円ぐらいします。そう考えるとプチロボ改(ロボット素材キット)は9個もサーボがついてきて、制御基板もついている上に、電池ボックス、組み立て時にあると便利なテープボンド、USB→シリアル変換器、制御用のソフトと一式ついて送料込みで14,801円。破格の値段ですね。Windows 7対応とは箱に書いていませんが、何とかなるでしょう。
■ サーボの動作テスト
次に制御基板とサーボのテストが必要です。単四電池が4本必要なのですが、そんな変な電池は在庫しておりません。代わりに直流安定化電源を用います。これはどこのご家庭でも一家に3台ぐらいあるでしょうから(?)これを使えば電池はいりませんね。
USB→シリアル変換器のドライバがWindows 7に対応しているかですが、付属のCDのものは対応してません。USBシリアル変換器は、ProlificのPL-2303だということがわかりました。秋月の電子キットでもよく使われている奴です。このドライバなら、Windows 7用のものがProlificの公式サイトのほうからダウンロードできます。(→ http://www.prolific.com.tw/Eng/downloads.asp?ID=31 )の
PL2303_Prolific_GPS_1013_20090319.zip 2009/3/20 v1.0.1.3 2209 KB
のほうでWindows 7で動作することを確認しました。PL2303_Prolific_DriverInstaller_v110.zip のほうは、他のなにかのドライバと競合しているのか、うまく動きませんでした。
■ 付属の制御ソフト
プチロボ改のほう、付属の制御ソフトの出来があまりよろしくないです。簡単なマクロを書いて登録はできますが、動作時間を細かく設定したり、複数のマクロを並行して実行したり、そういったことが出来ません。マクロにはループを書くための記法すらありません。
せっかくなのでミクロボを何か音楽に合わせて動かしたいと思っているのですが、この付属の制御ソフトではそれは不可能です。
自分で直接仮想COMポートをopenしてコマンドを送るほうがはるかに楽です。そんなわけで制御ソフトのほうを自分で書いていきます。
・「プチロボシリーズ通信仕様(WondeRoid Ver.1.0)について」(→ http://robot.kyohritsu.com/wonderoid/support/protocol/protocol01.html )
COMポートをopenして4バイトずつ送るだけの簡単仕様です。プログラムの書ける人は自分で制御プログラムを書いたほうが良いですね。
■ 音楽に合わせて制御するプログラムの作成
いま、音楽に合わせて動かしたいのですが、そのタイミングは細かくタイミングを指定するより、人間が耳で音楽を聴きながら手でタイミングを入力したほうがはるかに楽です。
すなわち、音楽を再生開始 → 音楽に合わせてキーボードでスペースキーなりを押していき、そのタイミングをファイルに書き出す → 音楽再生終了 というのを数回繰り返します。1回で終わらせてもいいのですが、各パーツの動作タイミングをそれぞれ別個に入力したほうが人間の負担が少ないので、(動かすタイミングを)重ね撮りのようなことをするわけです。
■ ミクロボ完成
■ 制御基板
プチロボ改の制御基板のほうにはサーボの配線を接続します。あと、電源は上の写真の右上の端子からとります。ここに電池ボックス、あるいは直流安定化電源を接続します。それから左上、左下、右下は、制御基板同士を連結するときに使う端子なので、単体で使う場合はジャンパーピンでショートさせておきます。
■ 直接制御
C#なら次のようにSerialPortをopenして4バイト送るだけですね。
var port = new SerialPort(); port.PortName = "COM3"; port.BaudRate = 4800; port.Parity = Parity.None; port.StopBits = StopBits.One; port.Encoding = System.Text.Encoding.GetEncoding(28591); port.Open(); var buffer = new byte[4] { 253, (byte)(221 + moter), (byte)pos, 0 }; buffer[3] = (byte)(buffer[1] - 220 + buffer[2]); // check sum port.Write(buffer, 0, 4); // 送信バッファに4バイト書き込み
■ 完成動画
とりあえず、ミクロボの動作が確認できる動画。
完成動画。
なんか、もっと足とか腰とか動かしたかったのですが、どうもシーケンスがうまく合わないので、もう諦めました。かなりしょんぼりな仕上がりになってしまいました。まあ、ペパクラデザイナーとプチロボ改の面白さが伝わればいいかな、と。