【視認性】ぼくの考えた記譜法【可読性】
前回、ピアノが移調奏に向かないという話を書いた*1が、五線譜もピアノの配列に基づいている。具体的には、ミとファの間、シとドの間が半音になっている。そこ以外は全音である。
ピアノが移調奏に向かないならば、五線譜も移調奏に向かなさそうだが、そうではないのである。例えば、keyをCからDに変更したければ、circle of 5th*2を思い浮かべて、右回りに2つ移動するから、#が二つ増えるだけである。もう少し簡単に言えば、全音一つあげるには#を二つ増やす(or ♭を二つ減らす)、全音一つ下げるには#を二つ減らす(or ♭を二つ増やす)だけでいいのである。
でも、ミとファやシとドの間が半音なのがなんだか気持ち悪いので、ここを全音にすれば、どうかと思うこともあるのだが、そうすると、1オクターブが図のようにいまの7度の距離になる。
こうなると 臨時記号をつけない限り、1オクターブに6音しか表現できなくなってしまう。major scaleやminor scaleなど、1オクターブに7音を使うscaleが多いので、これは不便だが、pentatonic scale(5音音階)やsixsa tonic scale(6音音階)を表記するにはちょうどいいのかも知れない。
現在の五線譜でも、1オクターブに8音以上使うscaleの場合は記譜しにくい。1オクターブに8音以上使うscaleというのがchromatic scale以外はあまり思いつかないのだが、例えば、diminish scale*3とか、spanish scale*4とかだろうか。
こういうscaleを臨時記号をつけずに記譜したいなら、ミとファ、シとドの間以外にも半音のところを作ったほうがいいんじゃないかと思う。
しかし、spanish scaleなんか普通使わないし、diminish scaleは経過音的にしか使わないし、使うscaleごとに記譜法を変えるのは混乱の元なので、やっぱりいまのままでいいような気はする。結局、いまの五線譜の記譜法は結構合理的に出来ていて、同時にその五線譜を色濃く反映したピアノの鍵盤の配列にもある程度の合理性はあると言えるんじゃないだろうか。
ああ、そうだ。やっぱり【あの楽器】なんかを作ってないで、ピアノをもっと練習しよう。途中で投げ出していたJerry Bergonziの『Inside Improvisation Series』とか、もう一度練習しよう。
…というようなことを足ピアノの動画を見ながら思った。
*1:【移調奏】ぼくの考えるあの楽器【最強】
http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20090524
*2:→ http://en.wikipedia.org/wiki/Circle_of_fifths
*3:C diminish scaleなら、C D bE F bG A bB , B
*4:民族音階。C spanish scaleなら、C bD bE E F G bA bB C