影響を受けた音楽理論の教科書

My音楽本棚


人力検索はてなで、あなたが作曲するうえで参考になった音楽の理論書を教えてください。(どこが良かったのかも教えてください) ただし洋書で邦訳が出版されてない本に限ります。またすでに公開されている他の人の回答で挙げられている本・シリーズを挙げるのは不可とします。 あと。もしあなたが音楽関係のサイトを運営されているなら、よければあなたのサイトも教えてください。 という質問をしてみたが、完全に空振り模様だ。2日経って誰も回答しやしねぇ…。まだ回答受付中なのでよかったら誰か教えて欲しい。(以下、音楽理論に興味のある人だけ読んでください)


Harmony

「ただし洋書で邦訳が出版されてない本に限ります」という条件がきつすぎたのかも知れない。


ジョージラッセルのLCC(Lydian Chromatic Concept)もATNから訳本が出てるし、メシアンとかヨーゼフ・ルーファーとかシュトックハウゼンとかも訳本が出てるし…よく考えたら、私が勉強するのに使ってたウォルター・ピストンの『Harmony』も一応、訳本が出てたなぁ。LCC以外、どれもこれも絶版で、唯一絶版になっていないLCCは古い版の訳本だけど。


Music and Architecture: Architectural Projects, Texts, and Realizations (Iannis Xenakis)

ヒンデミックは…和声学のI巻のほうは邦訳が出てるし…そうなるとクセナキスあたりが真っ先にあがってくるのかと期待してたのだけど、あのエセ数学チックな本見て「大変参考になりました」って言われても「あんたほんまにわかってんの?」と言いたくなるし。まああれは書いてある内容が数学的に見て嘘くさいのではなくて、音楽への結び付け方がアナロジーとして不適切というだけなのだけども。


しかしクセナキスは、『音楽と建築』は訳本出てたなあ…これまた絶版だけども。クセナキスは今月『Music of Architecture』て新刊出るんだけどたぶん誰もチェックしてないよね…。


The Cosmic Octave: Origin of Harmony, Planets, Tones, Colors, the Power of Inherent Vibrations
Tonal Pitch Space
Introduction to Post-Tonal Theory
The Cognition of Basic Musical Structures (The MIT Press)

あと、Harmonologiaシリーズ…は全編読んでる人はあまりいなさそう。私もこのシリーズは手を出すか出すまいか迷っている。


そして、Coustoは電波ゆんゆんだしなぁ…。面白いアプローチではあるのだけども。


そうなってくると私が思いつくところでは、Fred Lerdahlの『Tonal Pitch Space』やJoseph N. Strausの『Introduction To Post-tonal Theory』とDavid Temperleyの『The Cognition Of Basic Musical Structures』ぐらいかなぁ。


Foundations of Diatonic Theory: A Mathematically Based Approach to Music Fundamentals (Mathematics Across the Curriculum)
The Topos of Music: Geometric Logic of Concepts, Theory, and Performance
A Generative Theory of Tonal Music (The MIT Press)


あとは…誰だろ。Timothy A. Johnsonの『Foundations of Diatonic Theory: A Mathematically Based Approach to Music Fundamentals』とか。Guerino Mazzola の『The Topos of Music: Geometric Logic of Concepts, Theory, and Performance』とか?これは面白いアプローチなんだけど値段の割にはいまいち。


Fred Lerdahlの『A Generative Theory of Tonal Music』はプログラマ的には面白いと思う。プログラムで言うとBNFみたいなので文法定義しておいて、そこから文法的に許される文章を自動生成、みたいなのに似ている。


17のキーワードで よくわかるやさしい音楽理論  香取良彦 著
絶対わかる! ポピュラー和声 (絶対わかる!シリーズ)
東京大学のアルバート・アイラー―東大ジャズ講義録・キーワード編
東京大学のアルバート・アイラー―東大ジャズ講義録・キーワード編

和書で調性音楽なら普通は山下邦彦氏やら菊地成孔氏、濱瀬元彦氏なんかが真っ先に挙がってくると思うのだけども。あるいは入門書なら香取さんの本かなぁ。作曲やってる人はみんなどんな本読んでるんだろね…。


篠田元一氏の『実戦コードワーク』シリーズは書き方が不親切な上に譜例が実際の曲から引っ張ってきてないのでどうにもなぁ。結構人気本だと思うけど「この本で作曲の勉強やってます」とか言う奴はσ(`ω´)がほっぺたつねっちゃる。とは言え、他にコードワークについて詳しく載ってる本が少ないのよね。俗に言う芸大和声の教科書はいささか古典的すぎるし…それ以前にそもそもクラシックのコード進行とポップスのコード進行とでは考え方が違うので…。


Basic Atonal Theory

無調性では、J Rahnの『Basic Atonal Theory』ぐらいしか思い当たらない。しかも無調性音楽って私は苦手なので積読のままだし。


と、まあ、思いつくままにだらだら書いてみた。


それにしても音楽で食っていくのはかなり大変で(あるいは普通のサラリーマンをしているほうが断然稼ぎがあるので)、アマチュアとして生活している人がなんと多いことか。「こんな化け物みたいに知識があって、作曲もアレンジも自在に出来る人がアマチュアなの?」と驚かされることがある。なかなか音楽の世界は奥深く、そして厳しいんだな。