暗算必勝法(4)

昨日の日記のコメントでいろいろ意見をいただいたが、このままもう少し話を進める。いままで出てきた公式は、次の2つだけで、この手の式変形では、この2つが主役なのだ。


1.(a+b)^2 = a^2 + 2ab + b^2
2.(a+b)(a-b) = a^2 - b^2


1.の公式の場合、b=5だと、2abの部分が10aになって、大変計算しやすいということを説明した。同じ理由により、a=5,50,500,..だと、2abの部分に10,100,1000,...という係数が出てくることに気づく。これにより、たとえば3桁の二乗を計算する場合、500の周辺は特殊な展開公式を使える。


これは、id:lanigさんが書いている、


450〜599の自乗:
例:482^2

482-250=232, 500-482=18,18^2=324
答えは、232324

だ。これは、(500±b)^2 = 250000 ± 1000b + b^2を用いている。この式で 500-b = mとおけば、(500-b)^2 = 250000 - 1000(500-m) + b^2 = (m-250)×1000 + b^2。つまり、482^2 = (500-18)^2 = (482-250)×1000 + 18^2 = 232324。たとえば、532^2 = (500+32)^2 = (250+32)×1000 + 32^2 = 283024。


掛け算がすべて二乗の計算に帰着するのだから、二乗に関しては、少しでもたくさんこの手の便利公式を知っているほど有利になる。


そういう視点で見れば、さきほどの2番目の公式

2.(a+b)(a-b) = a^2 - b^2


で、a+bかa-bを10の倍数にすれば左辺は10の倍数になることに気づく。たとえば、次のように式変形してみよう。

a^2 = (a+b)(a-b) + b^2

素晴らしい!a+bかa-bが10や100の倍数になるように変形すれば、2乗が簡単に計算できてしまう。たとえば、17^2 = (17+7)(17-7) + 7^2 = 24×10 + 49 = 289。あるいは、17^2 = (17+3)(17-3) + 3^2 = 20×14 + 9 = 289。(つづく)