レコメンドエンジンの質から見るSNSの性質の違い


前日のエントリーに次のようなコメントを頂戴しましたので簡単に返答を書きます。

Twitterプログラマとしての視点」なのか、「TwitterをSEとしての視点」なのか、ビミョウに判断しかねるのですが?

私の場合、レコメンドエンジンに対するプログラマ的な興味もあるのですが、どちらかと言うと経営者視点なのかなと思います。


ある程度の規模(社員数50人〜200人)のWeb系の開発をしている会社がいま何で食っているかと言うとたいていはCMSですよね。MovableTypeとかカスタマイズしたりして企業向けに販売している。物販系などはそこで動いている金額が大きいですから、労力のわりに得られるリターンが大きいです。


CMSの次に儲かるのは何かというとレコメンドエンジンだと私は思うんです。まあ、プログラミングコンテストで上位に位置できる程度のプログラミング能力があり、機械学習系の論文を読み解く程度の力があればレコメンドエンジンは一人でも開発できます。CMSに比べると少ない人数で開発できて、その割に、物販系・SNSではレコメンドエンジンの精度によって得られる収益が全く違ってきますから、非常にビジネス的な価値が高いんです。


そういう視点で見たとき、twitterの前回記事(→ http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20130430 )のようなレコメンドの仕方は本当に適切なのか、これで利益を本当にもたらすのかみたいな疑問が私にはあります。レコメンドの質により、twitterとユーザーの関わり方が変わってきますから。


もう少し端的に言えば、有名人ばかりをレコメンドするやり方だと、「こんな人になりたい」という雲の上のような人ばかりをフォローするような、そういう関わり方になりますね。


これが同じレベルぐらいの人をレコメンドするシステムであれば、自分と趣味趣向の近い、知名度・年収・社会的地位が比較的近い人をフォローするような、そういう関わり方になります。


どちらがSNSとして正しいということはないでしょうけど、twitterが求めているのは前者のような関わり方で、Facebookが求めているのは後者のような関わり方なのかなと私は思いました。