容量無制限オンラインストレージSafeSyncを使ってみた


4,980円/年で容量無制限、ファイルの無限undo可能なオンラインストレージが登場した。その名もSafeSync。このクラウドストレージサービスを提供するのはウイルスバスターを販売しているトレンドマイクロだ。



なんかURLがウイルスバスター用のドメインだったり、「よくあるご質問」をクリックするとウイルスバスターのよくある質問のページに飛ばされたり、Webブラウザから転送できるらしいことが書いてあるのにそのサイトが見つからなかったり(まだSafeSyncのβ版のURLになっている)と、カオスっぷりがひどい。


SafeSyncのブラウザベースでアップロード/ダウンロードするためのサイトは↓だ。
http://safesync.jp/
タスクトレイのSafeSyncのアイコンを右クリックして「オンラインストレージ SafeSyncのWebサイトを開く」を選択すると開くことが出来る。
※ 購入サイトのほうから↑へのリンクがないのでちょっと不親切かなぁと。


■ インストールしてみた


インストールするとZドライブが追加された。ドライブ文字は変更できる。1.46TBと表示があるが、空き容量はいくら使っても減らないのでおそらく上限無しで使えるのだろう。

特定のフォルダをこのZドライブの特定のフォルダとの同期をとるように設定できる(複数のpairを設定することが可能)ようだったので、とりあえずDropboxのフォルダと同期をとるように設定した。こうしておけばDropboxのフォルダが無限にundo出来て便利だ。


Zドライブ上のファイルを右クリックするとオンラインストレージ SyfeSyncというメニュー項目が追加されていた。「Webサイトで表示」を選ぶとさきほどの↑SafeSyncのサイトをブラウザで開ける。


■ フォルダ同期


同期をとるように設定するとDropboxのフォルダのアップロードが始まった。


ファイルは4〜5個ずつ並列的にアップロードされ、トータルでのアップロード速度は4〜5Mbps程度のようだ。


これは今後みんなが使い始めれば遅くなる可能性は十分ある。この値を過信しないように。今後、この値より遅くなることはあっても速くなることはありえないと思ったほうがいいだろう。


この初回の同期中、UIはウイルスバスター同様に出来が悪くすぐに固まる。まあバックグラウンドでアップロードしてくれているなら我慢して待とうではないか。


初回同期が完了するまでは、同期指定しているフォルダのファイルを何度も変更したところでそれが即座にオンラインストレージのほうに反映されることはない。Dropboxの場合、小さなファイルサイズのファイルを優先して転送するようになっていたと思うのだが、SafeSyncはそんな風にはなっておらず、すべてのファイルを一通りオンラインストレージに転送し終わるまではその他のことは何もしない。 → 検証しなおした結果、一応、サイズの小さなファイルを優先するらしきことはわかった。ただ、ファイルサイズ順というわけではないようで、500KBのテキストファイルを更新してもそのオンラインストレージへの反映はずーっと後回しになっていた。


例えば大きなフォルダを同期する設定にしてしまうと転送に要する時間が1ヶ月ぐらいかかり、その1ヶ月間はその他のファイルの同期はほとんどなされないため、ファイルを更新してもそれがオンラインストレージに反映されず、反映されていない以上、以前のバージョンに戻すことも出来ない。


大きなフォルダをいきなり同期させてはならない。気をつけて運用する必要がある。


■ Z:ドライブに直接ファイルをコピーしてみた


次にマイコンピューターを開けてZドライブ(デフォルトではH:らしいのだが、私の環境ではなぜかZ:が割り当てられていた)にE:ドライブのフォルダをコピーしてみた。


そうすると8MB/secぐらいの転送速度が出た。もちろん、こんな速度で実際にアップロード出来ているはずもなく、マイコンピューターを監視していたらC:ドライブの容量が減っている。すなわち、C:に一時的にコピーしているようだ。そのC:にコピーしたものをゆっくりとサーバーにuploadしているのだろう。しばらく待つと、C:の容量がZ:にフォルダをコピーを開始する前の値に戻った。


まあこの動作はこれでもいいのだが、C:を勝手に使うなと言いたい。E:から300GBほどのデータをZ:にコピーしようと思うとC:に300GBの空きが必要ではないか。そんな空き容量C:に用意してないわい。


そのテンポラリを書きだすフォルダを設定するところがSafeSyncのソフトのほうに無い。。


ローカルコピーやテンポラリは以下のフォルダに配置されるようだ。


[ユーザーフォルダ]\AppData\Local\Trend Micro\OSDP\[メアド]\root


mklink(→ http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/win2ktips/991fjunction/fjunction.html )などを使って、このフォルダを別のドライブに割り当てればいいようだ。


■ C:ドライブを消費せずにファイルをアップロードする二つの方法


それでC:を経由せずにファイルをアップロードするには、二つ方法がある。


一つはさきほどのフォルダの同期設定を行なう方法。これによりC:が消費されないことは確認した。ただしこの同期中は同期が完了するまで他の同期が一切なされないという欠点があることはすでに書いた。


もう一つの方法はブラウザでさきほどの公式サイト(→ http://safesync.jp/ )にアクセスして、そこからアップロードする方法だ。


このサイトはファイルのブラウザへのドラッグを可能にするためにJavaのランタイムを入れろと言ってくる。いまどきファイルのドラッグのためだけにJavaランタイムなんか入れさせんなという感じだ。


まあ、ブラウザ経由でアップロードすればC:の容量は消費されず、そしてZ:にコピーされていることは確認した。


■ Z:ドライブをキャッシュする方法


Z:にコピーしたテキストファイルを表示しようとしたりするとそのファイルのダウンロードが(ユーザーに見えないところで)始まるが、Z:のファイルをキャッシュする設定が出来て、100MBほどキャッシュする設定にしておけば頻繁にアクセスするファイルはすぐにアクセス出来る。


ただ、キャッシュするフォルダの除外設定とかが出来ないと動画ファイルを表示したりすると一瞬でキャッシュが溢れてしまう気がする。このへんも、なんか作りが雑だなぁと思う。 まちがい → ここで設定する値は、例えば100MBを指定するとキャッシュ用のバッファが100MB確保されるのではなく、100MB以下のファイルを全てキャッシュするという意味のようだ。ノートパソコンに導入したSafeSyncでここを100MBに指定するとひどい目に遭った。



また、この設定を「すべて」にしておけば、すべてのファイルがローカルディスクにもキャッシュされる。すなわち、Dropboxのような使い勝手になる。


あと、Z:ドライブのファイルやフォルダを右クリックしてSafeSyncのメニューを出して、「このコンピューターにコピーを保存」を選択すると、そのフォルダはローカルディスクにキャッシュされる。(同期pairとして設定してあるフォルダに対してはこの選択は選べず、強制的に「このコンピューターにコピーを保存」している状態となる。)



これは大変便利な機能なのだが、このときに使われるキャッシュ用のドライブを変更させて欲しい気はする。そういう設定項目はSafeSync上には見当たらない。たぶん、それがしたいなら、同期pairとして設定しなさいということなのか…。


また、上記設定は変更すると再度上記の条件を満たすすべてのファイルをサーバーからさらってくる作業が必要になるので非常に長い時間がかかる。特定のフォルダだけキャッシュさせることは出来るので、上記のキャッシュ設定は「キャッシュしない」のまま運用しておき、必要なフォルダだけ個別に「このコンピューターにコピーを保存」を指定して運用することをお勧めします。


あと、どうもこの設定を変更してさらいなおしているときに他マシンでファイルを移動させるとそのファイル更新情報がうまく反映しないというバグがあるようなので、上記の設定は気やすく変更しないほうがいいと思う。


■ ファイルを以前のバージョンに戻す方法


Z:ドライブ上のファイルを右クリック→「オンラインストレージ SafeSync」→「Webサイトで表示」を選ぶと次の画面になる。



この画面で直接以前のバージョンに戻せて欲しいと思うのだが、かゆいところに手が届かない。かゆいところが余計にかゆくなる。


ともかく上記画面で「このフォルダを開く」を選択するとそのファイルが配置されているフォルダがブラウザで開けるのでファイルの左にある「▼」マークを押してメニューを出す。(この独自UIがすこぶる使いにくいのだが…)

出てきたメニューのなかにある「以前のバージョン」を選択すると次の画面になる。ここでいつ変更したのかがわかる。

マウスをホバーさせると「削除 | 復元 | ダウンロード」と書かれた文字が表示される。いまどきマウスホバーでメニューを出すなと言いたいのだが、まあそれはそれとして、復元の他にファイルの直接的な「ダウンロード」が出来るのは好印象。


まだサービスが始まって間もないから検証は出来ないが、履歴は無限に残るはずだ。


■ 削除したファイル/フォルダの復活は出来るのか?


削除したファイル/フォルダの復活はSafeSyncのサイトをブラウザで開いて、左端にあるごみ箱のアイコンをクリックすると削除したファイルが復元できる。


SafeSyncをブラウザで開いて、左端にある「ごみ箱」のなかに削除したファイルが入っている。削除したファイルが存在していたフォルダ階層ごとごみ箱に入る。例えばZ:\a\b\c.txtというファイルを削除したならばごみ箱にはa\b\というフォルダがあってその配下にc.txtというファイルが保存されている。


ただ、拡張子が表示されてないので「段階スタイルシート」とか書かれてもその拡張子が .css だなんてすぐにわからない。拡張子を表示することは出来ないようだ。とてもひどい。



ともかく、削除したファイルはこの「ごみ箱」でファイルを選んで「選択した項目を復元」を選べば元のフォルダに戻った。また、元のフォルダに戻したあと、以前のバージョンに戻すことも出来た。


それから、削除したファイルと同名でファイルを作り、それを削除した場合、「ごみ箱」には、 abc(1).txt のように"(1)"という名前が付与されたものが入っていた。このように複数の同名のファイルが「ごみ箱」に入っている場合も"(1)"とか"(2)"とかが付与されるので別個に元のフォルダに戻すことが出来る。


ただし元のフォルダに戻すとこの場合、"abc(1).txt"のように"(1)"が付与されたまま戻ってしまうので、何かのアプリがこのファイルを参照しているとファイル名が変わってしまっているのでそのアプリがうまく動かない可能性がある。


個人的には、Windows7のように特定日付のフォルダのスナップショットを見たり、復元したりしたいのだが…。削除したファイルを復元ではなく、削除したファイルを以前のバージョンに戻すような操作ができなくてはならないと思う。(Dropboxならそれが出来る)


SafeSyncは削除したフォルダ単位での復元も出来るようだが、フォルダを指定して復元すると上のように他の削除して作り直したファイルなどもまとめて復元されてしまうし、復元したあとフォルダを特定の日付のものに戻すオペレーションが出来ない。(ファイル単位で以前のバージョンに戻すことは出来るのだが) ゆえに、フォルダ単位で戻すのには全く適していない。フォルダ単位で以前の状態に戻したいと思うのなら、フォルダ丸ごとzipにでも固めて定期的にZ:ドライブにコピーするようなバッチファイルでも書けということだろうか。


ところで、SafeSyncの製品比較でファイルバージョンの履歴操作に関して、Dropboxの欄が「×」になっているのだが、嘘を書くなと言いたい。本当、この会社は信用ならない。



他のオンラインストレージサービスとの違いは?
http://virusbuster.jp/safesync/comparison.htm


■ 共有可能リンクについて


ファイルを他のユーザーと共有することが出来る。共有する相手に対してメールを送って共有する形となっている。ファイルやフォルダ単位で指定できる。このとき相手はSafeSyncのソフトを導入している必要は無い。 ブラウザ上で見ることが出来る。


パスワードをかけての共有ではないので、共有を設定したユーザーではなくともそのリンクさえ踏めばそれらのファイルにアクセスできる。これって共有というかいわゆるpublic linkだと思うのだが。


この共有を解除するには、SafeSyncのサイトを開き、ファイル/フォルダを選択して、画面右側にある「共有可能リンク」と書かれている文字列付近にマウスカーソルをホバーさせると「このドキュメントへのリンクを無効にする」というメニューが出てきてここから解除できる。というか、これがしばらく発見できなくて私は悩んだ。こんなマウスをホバーさせないとリンクを表示しないような劣悪なインターフェースは勘弁して欲しいものがある。



■ 他のユーザーと共有


上で書いたpublic linkを他のユーザーにメールで送るだけの機能。送られた側からはそれらのファイルは操作できないし、public linkなので、このURLが漏れれば他の人でも見れてしまう。


SafeSyncを導入しているユーザー間でのみフォルダ共有をする機能を期待したのだが、そうではないようだ。


■ SafeSyncの複数台パソコンへのインストール


SafeSyncを1つ購入すると自分が使う複数のパソコンにインストールしても構わないようだ。


それぞれのパソコンで無制限クラウドストレージであるZ:ドライブが読み書きできるようになるわけで、これはかなり便利だと思う。


まだ試してないので何か運用上の問題が発生するかも知れない。(同時にファイルを更新したときにどうなるのかだとか。例えばDropboxの場合、conflicted copyという同時に更新されたため更新できなかったファイルのコピーがフォルダ内に自動的に作られる)


[この問題についてはあとで検証してここに追記すると思う。]


■ ダウンロード速度についての検証


アップロード速度とダウンロード速度は接続設定のところで「カスタム」を選び、「99999」などのように大きな値を入れると上限値に変更された。



一つのファイル当たりのダウンロードの最大は20Mbps、アップロードの最大は1024Kbpsらしい。


「超高速ケーブル」を選択した場合、表示上は「無制限」となっているが、おそらく↑の値に絞られていて、これ以上の値が出ることはないようだ。Dropboxよりはやや速い気もするが、ダウンロードに比べるとアップロードが圧倒的に遅いのでこの制限は少々辛い。容量無制限でなくて良いのでアップロード速度がもうちょっと速くならないかなぁと。


SafeSyncのサイトからファイルを選んでのダウンロードの場合、転送速度はおおよそ300KB/sec。Chromeで試したところ6個のファイルまで並列的にダウンロード可能。並列的にダウンロードする場合、一つ一つのファイルの転送速度が300KB/sec。ゆえにこのときトータルでは1.8MB/sec。


フォルダまるごとをデスクトップなどに直接ダウンロードすることも出来る。その場合はファイルは一つずつ転送される。転送速度は1MB/sec程度。


メールで招待リンクを送って、IEでそのURLを開き、そのフォルダのファイルを次々にダウンロードしたところ5個のファイルまで並列的にダウンロードできた。(5個というのはIE側の制限か?) このとき転送速度は300KB/sec程度。


ただしIEをもう一つ立ち上げて、そちらでもダウンロードしていると次のファイルをダウンロードしようとしたときにログイン画面に飛ばされた。なにか認証に失敗したのか?再度URLを開こうにもログイン画面が出てくる。仕方ないのでIEをいったん終了させ、再度IEを立ち上げてから再度そのURLを開けば直った。



ダウンロードは十分速いと言えると思う。SafeSync公式の説明を見ると、SafeSyncドライブ上にコピーした動画ファイルを直接再生してたりする。


[あとで静止画のサムネイル表示を検証する]


■ 動画のストリーミング再生


Windows7に付属されているaviファイルと手元にあったmp4、flvなどをアップロードしてみたが、いずれもストリーミング再生はされず。



どうも動画をアップロードするとサーバー側で暇な時間にストリーミング可能なファイルを作ってくれる仕組みのようなのだが…。


動画ファイルをSafeSyncのフォルダに放り込んで丸一日放置してみたがやはり見れない。いまのところ未実装なのかも知れない。 → 特定のファイルはストリーミング再生できた!詳しい条件は次の記事にて。


Dropboxより速いのか?


いまのところアップロードもダウンンロードもDropboxよりは速い。ノートパソコンのほうに入れているDropboxは削除してSafeSyncのみで運用してみることにする。


ただ、SafeSyncにはDropboxと違ってLAN syncさせる機能がないように思える。


同一LAN内にあるパソコン上にファイルがあるのにトレンドマイクロのサーバーからダウンロードしてくることになるようだ。このへんは改善を期待したい。


LAN syncさえあれば2台のPC間でバックアップを取るのにも使えるようになると思うのだが…。


■ ブラウザベースでの操作


SafeSyncのサイトをブラウザベースで開いたときのファイル操作についても書いておこう。


ファイルやフォルダを複数選択してドラッグ&ドロップで別のフォルダへの移動が簡単に出来る。


ファイルやフォルダを選択してDELキーを押せばファイルの削除できるし、CTRLを押しながらのドラッグ&ドロップでファイルやフォルダのオンラインストレージ内の別フォルダへのコピーも出来る。


ごみ箱からファイルを複数選択して直接ごみ箱以外のオンラインストレージ上の別のフォルダに移動/コピーもできる。


これらの点においては、慣れればDropboxよりもいいと思う。


■ ソフト面がボロボロである


ノーパソのほうにSafeSyncをインストールしてメアドとパスワードを入れると同期が始まった。同期中に試しにブラウザでSafeSyncのサイトを開いてファイルをダウンロードしようと試みたら…。


ご覧の有様だよ…。SafeSyncがウイルスなんじゃないかと本気で考えたわ…。


私から言えるアドバイスとしては
1) 初回同期中には余計な操作をしない。
2) 初回同期は大きなファイルは同期させずさっさと終わらせる。
3) 初回同期中は動作が不安定。
4) 初回同期が終わったら再起動しましょう。
である。


初回同期が終わったあと再起動すると次の画面が1秒おきぐらいに交互にずっと繰り返しながら出てきた。最新なのか最新じゃないのかどないやねん、と。どう見てもおかしい。別のマシンからファイルをクラウドストレージに転送中だからか?




ちなみに同期が完了したとき「すべてが最新です」の画面の文字、1秒おきぐらいに数ミリ秒だけチラつく。たぶんダブルバッファリングもせずにTextOutで直接描画しているのだと思う。このUI、どうしようもない素人が作ってるんだな…。


★ ロックされているファイルがあると待機のままいつまでも先に進まない


それからOutlook2007のメール用のフォルダもオンラインストレージにバックアップしようと思ったのだが、このメールファイル(.pst)は、Outlook2007を立ち上げているとファイルが当然ながらロックされている。ロックされているファイルはSafeSyncは後回しにしてくれれば良さそうなものだが、なんと、そうはならない。ずっとそのファイルのロックが解除されるのを待機している。ゆえに4つずつ並列的にアップロードしているときにそのようなロックされたファイルがあると待機待ちになり3つずつしか並列的にアップロードできない。1つのファイルのアップロード帯域は絞られているので4つが3つになってしまうとトータルの転送速度は3/4になってしまう。検証はしていないが、ロックされているファイルが4つあればたぶん転送自体が止まる。この点、ソフトウェアの作りが悪いとしか言いようがない。


★ 同名のファイルが並列アップロードされない


あと、同名のファイルが複数あるとそれらの転送は後回しになる&同名のファイルは並列的にアップロードされないというバグを見つけた。バグじゃないのかも知れない。なんだ、この仕様…。ひょっとすると、同名のファイルは関連性のあるファイルの可能性が高いから2つ目以降は差分のみをアップロードする仕組みなのかも知れない。私はEPWING形式電子辞書をいくつか持っているのでHONMONという名前のファイルが大量にあるのだが、これが最後に残った。かなり迷惑な仕様と言わざるを得ない。


★ PC本体をサスペンドから回復するとファイルを最初からアップロードしなおす


ファイルのアップロードって比較的大きなファイルが後回しになるわけですけど、サスペンドなどをしてネットワークが接続→切断されるとサーバーに再接続します。


その結果、90%までアップロード出来ていたファイルをまた0%からアップロードしなおしになるようです。例えば、1GBのファイルをアップロードするには、1.1Mbpsですと2時間ちょっとかかるのですが、2時間ごとにサスペンドを行なうとこのファイルはいつまで経ってもアップロードが完了しません。


是非ともファイルのレジュームをサポートして欲しいのですが、WebDAVの仕様上難しいんですかね…。


★ ブラウザからSafeSyncのサイトを開いて操作したときファイル名の拡張子を変更できない


ブラウザからSafeSyncのサイトを開いて操作したときファイルの名前は変更できるのだが、ファイルの拡張子は変更できない。拡張子に関しては表示すらされていない。本当、使いにくいなぁ…。


★ 削除中のファイルのファイルサイズの表示が誤っている


削除中のファイルのファイルサイズの表示部分が更新されないようで、直前に選択していたファイルのファイルサイズが表示されている。


■ SafeSyncが悪いのかはわからないが…


ファイルエクスプローラでZ:ドライブを開いて、そのファイルをデスクトップにコピーしようとしたとする。このとき、ファイルがローカルディスクにキャッシュされていなければ、ファイルのダウンロードが暗黙裡に行われるが、なぜかこのとき、ファイルエクスプローラがフリーズする。 ファイルの転送が終わるまでこのファイルエクスプローラは化石のように固まって動かない。ファイル転送中のダイアログも出てこない。OSレベルの問題かも知れないが。ちなみにOSはWindows7だ。びっくりするような仕様だ。


また同じく、ローカルディスクにキャッシュされていないpdfファイルをダブルクリックしたとする。その瞬間暗黙裡にダウンロードが開始されるので、ファイルエクスプローラが固まる。AdobeReaderが立ち上がるわけではないのでユーザーは何が起こっているのかわからない。例えば100MBのpdfなら、ダウンロードに5,6分かかるのだが、5,6分間、ファイルエクスプローラは固まり、そのあとAdobe Readerが立ち上がる。(ようにユーザーには見える) せんぜんシームレスではない。


そして同じく、ローカルディスクにキャッシュされていないtxtファイルをダブルクリックしたとしよう。私の場合、関連付けされているのは秀丸だ。暗黙裡にダウンロードが始まるが、1MBのファイルであってもそのダウンロードに4秒程度かかるわけだが、秀丸はなんとタイムアウトしてしまい、開くのをリタイア(断念)する。リタイアして、新規のファイルを開く。ファイル名はその開こうとしたファイル名になっているのだが、中身が空っぽだ。ユーザーにしてみれば「おかしいなぁ」ということになるだろう。


これらは、SafeSync側だけの問題とは言い切れない。


Windows OSや、そのアプリではこのようにローカルディスクの読み込みに非常に長い時間がかかるということを想定されていないのが問題なのだと思う。今後、このようなクラウドストレージが普及してくればファイルの読み込みはバックグラウンドスレッドで行なうのが常識になると思う。


■ 体験版


SafeSyncの体験版がどこから申しこめばいいのかわからない人が多いが(日本のSafeSync公式サイトにはそのリンクが無いため)↓から申込めばいいらしい。体験期間は1ヶ月。
https://safesync.com/
(体験版のサーバーは海外用のもので、ここに放り込んだデータは日本のSafeSyncのサイトで課金してもアクセスできないようなので注意。)


容量制限ありの無料版があればいいと思うのだが、それが無いのでSafeSyncでファイルの相互の受け渡しをしようと思うと相手もSafeSyncを購入していなければならない。Dropboxと違って、このへん不便だなぁと。また、SafeSyncの共有フォルダは招待されたほうはread onlyなので、これまた不便だなぁと。共同作業をするのには向かない。




■ まとめ


使い勝手の悪いところは多々あるが、最低限の機能は備えているし、何より容量無制限のクラウドストレージというのは非常に魅力的だ。


4Mbpsでアップロードし続ければ1日で43.2GB。1ヶ月で1.3TB、1年で15.8TBだ。(何台ものマシンからアップロードすればさらに何倍もになる)


そんな容量をたかが4,980円で使わせてくれるはずがないので、いずれアップロード帯域を絞られることは目に見えているのだが、この価格ではいずれサービスの継続が困難になることは容易に想像がつく。そりゃ全員が全員、15.8TBも使わないだろうけども。


トレンドマイクロだから会社が潰れることは無いのかも知れないが、なんかいろいろと不安の残るサービスであることは確かだ。


あと適法ファイルのみアップロード可能と書いてある。著作権が自分に無いコンテンツ、たとえばテレビ録画したものや市販の音楽ファイルなどもアップロードは禁止なのかも知れない。そう考えると個人で容量を使いまくることは無いのかも知れない。容量を食いそうなものは自分で撮影した写真とか動画ぐらいかな。


■ その後わかったこと


長文になりすぎたので記事をわけました↓。


SafeSyncその後わかったこと
http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20101228