FPGA入門用としての1chip MSX

1chip MSXは、AlteraのFPGAとしてEP1C12Q240採用。12,060 LE(Logic Element)。電源アダプタ付き。回路図、全ソース付き。ソースはVHDLで書かれている。趣味でFPGAをやっているとこの規模のソースを見る機会はなかなかないので、凄く勉強になる。
1chip MSXのFPGAには、VGA出力、ビデオ出力端子、USB端子、オーディオ出力端子、SDカードコネクタ、LED 8つ、DIPスイッチ8つ、40pin拡張インターフェースコネクタなどがぶら下がっている。
SDカード経由でFPGAの回路をconfigure出来るので、到着してすぐに自分のプログラムを書いて、VGA出力のテストをしたり、オーディオ出力のテストをしたり出来る。*2
1chip MSXは2万円ちょいで買えるので同価格帯のFPGAの評価ボードを買うぐらいなら、こちらのほうがよほどお買い得だろう。
私はMSXには興味は全くないので、回路図とソースが見られれば満足。
時間が出来たら自分で書いたプログラムでも走らせて遊んでみようと思う。
回路図を見たところ、ほとんどのFPGAのピンは電流制限のための抵抗を介して出力ピンにつながれているだけである。「こんなので本当にVGAやオーディオに出力できるの?」と思ってしまうほどシンプルである。改めてFPGAの凄さを実感した。
12,060 LEにどれくらいの規模のプログラムが書き込めるのかと言うと、Z80の動作を完全にエミュレーションするCPUコアは 5,000 LEぐらいのようだ。HDLによる高性能ディジタル回路設計―ソフトウェア感覚を離れてハードウェアを意識する (Design Wave BOOKS)に掲載されている PIC16F84 の簡易版が700 LE 程度。
だから、12,060 LEもあれば、昔のアーケードゲーム機を再現することも可能である。XC3S200(1chip MSXのFPGAよりやや劣る)でマッピーやらドンキーコングを動かしている人がいる*3ので、ある程度のことは出来そうだ。
あとは、自分なりのRISCマシンを設計したり、gccをそれに対応させたりして遊ぶのも楽しそうだ。
1chip MSXはそんなに高いわけでもないので、ぶっ壊す勢いで遊んでみてはどうだろうか。ぶっ壊す勢いでやると本当にぶっ壊す謎電の作者さん*4も、お一つどうですか? → 追記(2008/03/03 8:12) 購入された模様。*5
*1:http://www.msx.d4e.co.jp/ から購入可能。
*2:本格的な開発にはJTAGのdownloadケーブルを用意したほうが良いだろうが。
*3:http://www.neko.ne.jp/~freewing/fpga/arcade_spartan3/
*4:http://professionalhearts.seesaa.net/article/55040784.html
*5:http://professionalhearts.seesaa.net/article/88041965.html




