本が邪魔で仕方がない(1)

以前、本が邪魔だから(id:yaneurao:20040306)、ドキュメントスキャナを買った(id:yaneurao:20040308)という話を書いた。しかしドキュメントスキャナではたいてい本を解体して取り込まなくてはならない。1冊数万円で売れるようなプレミア本を切り刻むのは胸が痛む。そこで、切り刻まなくて取り込めるソリューションを考えるわけである。


自動ページめくりスキャナの相場は1500万〜3000万程度である。*1 以前、レゴを利用して手作りで作った人もいるのだが*2、取り込める本に制約があるようだ。もっとも、1500万〜3000万費やしたからと言って全自動というわけでもなく、人が付きっきりでなくてはならない。bookscannerさんの発言はまとを射ている。(id:bookscanner:20061117:p1)

本はね、結構たくさんの問題抱えてて、スキャナに放り込んで、スイッチぽん!はい、出来上がり!ってわけにはいかんのよ。だから、実際に大量スキャンをしたことがある人は、「全自動」マシンなんてものはとーてい無理で、むしろオペレーターが適宜手を加えられる「自動」マシンが必要だ、って思うわけ。そんで「自動」と言えば、自動車ね。自動車ってさ、乗ったら勝手に目的地につくわけじゃないよね。運転しなきゃいかんよね。Steveさんがもし、「居眠りしてても、目的地に安全に到着しない自動車なんて、全自動じゃない!なんで、運転せなあかん?」って文句言うってんなら、それは話が別で、ある意味、本物だね。

確かにその通りで、本の取り込みの全自動化というのははなから不可能なのだ、ということがわかっていれば今度は別の発想が生まれてくる。


どうせ人が付きっきりでなければならないなら、バイト君でも雇って、なるべく短い時間に高いクオリティで取り込めないものか。


「BookDrive DIY」という製品がある。これはV字型の透明なパネルを手で下ろすとその瞬間に備え付けられた2基のデジカメから撮影し、パソコンに取り込み、自動補正までやってくれるという優れものだ。人間はページをめくり、パネルを下ろす、待つ、パネルを上げる、ページをめくるという動作を繰り返すだけで良い。お値段はカメラ2つ付きで$7,895(おおよそ100万弱)である。取り込み品質も高く、値段の割にはいい仕事をしてくれそうだ。


取り込みたい本が1万冊以下なら1,000万クラスの自動スキャナを買うよりは、Book Drive DIYを買ってバイト君でも雇うほうがはるかに安上がりだろう。Book Drive DIYの値段以外の欠点を強いて挙げるなら、日本に代理店が居ないので故障したときのサポートが不安というのと、そもそも日本に輸入可能なのかだとか、取り込みソフトは日本語版Windowsで動くのかなどである。


(つづく)