石原都知事の言うリアリティーとは?


選考委員の石原都知事芥川賞候補作は「バカみたいな作品ばかり」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120106-00000551-san-soci


「自分の人生を反映したようなリアリティーがないね」と言う石原都知事ですが、「石原都知事が若かりし頃に書いた小説は、自分の人生を反映してたの?」と誰もが突っ込みたくなると思うのですが。


【参考】石原氏の小説のあらすじをコミPo!で4コマ漫画化。*1


・「完全な遊戯」


・「処刑の部屋」


・「太陽の季節


ところで、「共喰(ともぐ)い」で芥川賞を受賞した田中慎弥さんの会見記事が以下にあるのでこれも併せて読むといいかも知れません。


芥川賞「もらっといてやる」田中慎弥さん受賞会見
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/books/art/542411/


「もらっといてやる」発言について、石原都知事は「いいじゃない、皮肉っぽくて」と受け流しています。


<石原知事>芥川賞の選考委員退任へ「駄作のオンパレード」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120118-00000073-mai-soci



まあ、石原氏は青春の暗黒面を過大評価する傾向があって、マーケット的に考えていまどきそんなウジウジした小説が流行るはずもなく、芥川賞のノミネート作品が石原氏のお眼鏡にかなわないのは当たり前なのだと私は思うのです。


石原氏の言う「観念というか、自分の感性でとらえた主題を一生追いかけていくのが芸術家だと思う」については私もそう思うのですが、さらに言えば、「自分の感性でとらえた主題」を一般化し、万人に理解でき、かつ、興味を持ってもらえる形に昇華して、読むに堪える作品として提供するのが職業作家というものではないでしょうか。


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