マインドストームNXTで作る自動ページめくりブックスキャナ(9)
ギアが思ったように組み合わさらない。おかしいなと思って詳しく調べてみた。
ギアの半径が、ポッチ(普通のレゴブロックの隣り合うポッチ間の距離を1ポッチとする単位)の整数倍 + 0.5 になっていれば、二つのギアを組み合わせたときに必ずポッチの整数倍になって良いのではないかと思ったのだが、そうはなっていない。きっと歯のピッチなどの問題があったのだろう。
オレンジブック(LEGO MINDSTORMS NXTオレンジブック―アイデアノタマテバコ)はたくさんのアイデアが詰まっている大変良い本なのだが、ギアについての説明が少なので、ここでいくつか補足したい。
ギアの半径は、
A) 0.5系
8歯(R0.5),24歯(R1.5),40歯(R2.5)
ターンテーブル外周56歯-内周24歯(外周R3.5 - 内周R1.5),ウォームギア(R0.5)
B) 1.0系
16歯(R1.0)
C) 0.75系
12歯(R0.75)
D) 0.25系
20歯(R1.25),36歯(R2.25)
の4つの分かれる。*1
見ての通り、A同士は組み合わせると整数倍になる。B同士も整数倍になる。CとDも組み合わせると整数倍になる。
つまり、{A,A},{B,B},{C,D}のみの組み合わせが有効で、{A,B},{A,C},{A,D},{B,C},{B,D},{C,C},{D,D}の組み合わせは不可。
ところで、ベントアーム(リフトアーム)上では、ポッチの整数倍以外の距離が出てくるはずである。そもそもベントアームは何度ベンドしているのだろう?NXTに付属しているアングルコネクターは、90度,112.5度,135度,157.5度,180度*2なので、これと比べてみるが、120度より少し大きめの角度っぽく、どうも中途半端である。
ベントアームがなぜこんな中途半端な角度になっているかと言うと、それはもちろん、ポッチの整数倍 + 0.5や、ポッチの整数倍 + 0.25を得るためである。(かどうかは知らないが、そう思っておくことにする。)
ということで、ギアを埋めてみると見事に、{B,C}が噛み合ったので、おそらく1.75だとわかった。(正確にぴったり1.75なのかどうかは知らないが、以下、ここが正確に1.75だと仮定して計算する)
ここでは、ベント中心からのそれぞれの点への距離がa,b(単位はポッチ)のとき Δ{a,b}と表記する。
いま、Δ{1,1} = 1.75なので、Excelでごちょごちょとやると*3
Δ{1,1} = 1.75
Δ{1,2} = 2.669 ≒ 2.75
Δ{1,3} = 3.631 ≒ 3.75
Δ{1,4} = 4.610 ≒ 4.50
Δ{2,2} = 3.50
Δ{2,3} = 4.402 ≒ 4.50
Δ{2,4} = 5.339 ≒ 5.25
Δ{3,3} = 5.25
Δ{3,4} = 6.144 ≒ 6.25
など、0.25系,0.75系に使えそうな数字がずらりと並んだ。これにより、ギアのほとんどの組み合わせが可能になった。