エロゲー製作は大変ナリよ(5)


そこまで悪条件で何故彼らはエロゲーを作ろうと思ったのか?


アニメ世代が労働環境が劣悪であることを承知しながらアニメータになりたいと思うの同様に、ゲーム世代はゲームを作りたいと考えるからではないかと私は思う。


エロゲーが好きでエロゲーの企画をやってみようと思う人は後を絶たないし、「Airに感動したからシナリオを書いてみたいと思ったんです!」なんて言ってシナリオ書きになる人も少なくは無い。(ユーザーにしてみれば本当はそんなド素人にはいきなり商用作品のシナリオなんて書いて欲しくないのだが…)


あと、弱小メーカーでも当たれば桁違いに売れることもある。2万本や3万本売れれば桁違いにお金が入ってくる。このダイナミズムは、ある種、アメリカンドリームにも似ていると言えるだろう。プログラマとしては地道に“紙芝居”を作り続けていれば、ある日、凄腕の絵師や敏腕企画マンによってヒット作品となり、自分もそれに便乗して有名でお金持ちになるのではないかという幻想を抱かざるを得ない。


実際は前述のように多大なるリスクを背負っている経営者にとって、少しぐらい儲かったからと言って(売れる要因を作ったのは直接的には絵師やシナリオライターや企画マンであるから)そんなに多額なボーナスをプログラマに出すことなんてありえないことはわかりそうなものだし、プログラマが有名なエロゲーに関わっても、直接的に有名になれるわけではないし、また(常識的には)エロゲーでは自分の技術力のアピールにもならないのだが…。


(つづく)