プログラマの数学

プログラマの数学

結城先生の新刊が出ていたので、本屋で立ち読みしてきた。ひとことで言ってしまえば、文系プログラマでもわかる数学本という感じだ。


言及・感想・分析リンクは、こちら→id:hyuki:20050403#math


私の場合、ほとんど知っている内容だったので、買いはしなかったのだけれど、結城先生の本の作り方はいつも非常に参考になる。まず対象とする読者層。結城先生は、いつも、非常に層が厚いところを狙ってくる。このへんの企画の立て方のうまさを見習わなくてはならない。


あまり出版業界に詳しくない人は、上級者は少なくて、初心者が一番多いというようなピラミッド構造だと考えてしまう。でも、本当はそんなことはない。本当の初心者は本なんか買わない。(何の本を買っていいかすらわからないし、本なんて無数に発売されているから)


だから、あまりに内容が易しくなってくると誰も買わなくなってしまうのだ。たぶん図で書くと、▲(ピラミッド)型ではなく、◆(ダイア)型になっている。この一番膨らんでいるところを狙わなくてはならない。結城先生はともかく、それが非常にうまい。


あと、説明の丁寧さ。文章のわかりやすさ。そのへんが天下一品だと感じる。結城先生の本は、すっと頭に入ってくる。多少冗長に感じることもあるけれど、対象の層を考えると、それくらいでちょうどいいのだと思う。


ともかく、この本に限ったことではないが、結城先生の本は、本屋で手にとってみて、自分のレベルに合っている本ならば買って損はないと思う。