中学生のころの作品


やねうらお』の名前の由来(→ http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20081222 )に出てきたH君と中学生のとき(20数年前)に作ったゲームについていくつか書いておく。


■ RPG


当時、H君が私につけてくれたあだ名は「いっそん」だった。H君は、ある日、「いっそんのRPGを作ろう」と言い出した。


「その名も、RPG of It's son!!」 いま思えば、まるで意味がわからないが、僕たちはともかく英語なら何でも格好いいと思っていたのだ。


このRPG、スライムが画面に出てきて、それを突っついて倒すだけのゲームだ。どんどん強いスライムが出てくる。というか、スライムしか出てこない。ラスボスさえもスライム。それも超堅い。


特徴的なのは、経験値が超インフレして、ラスボスを倒すころには何百桁にもなるということだ。
これを正しく計算するために、多数桁の四則演算ルーチンをアセンブラで書いた。その部分だけが結構辛かった。


■ 上海


「上海(シャンハイ)」という麻雀牌を取っていくパズルゲームに似たゲームをベーマガ(マイコンBasicマガジン)の投稿用に作った。名前は「うえうみ - UEUMI」である。なんか名前からして馬鹿まる出しなのだが…。


ベーマガに投稿するのは、小学生以来だった。小学生のときは、メイン部分をオール機械語で書いていた。Basicの部分はREAD(DATA行から読み込む)〜POKE(メモリに書き込む)〜EXEC(機械語のルーチンを呼び出す)するだけのプログラムだった。当然、没になる。


同じてつを踏むまいと思い、今回はオールBasicで書いたのだが、技術力の差を見せつけてやろうとそのソースコードを無理矢理、一画面に詰め込んだ。いまで言うところのShortCodingである。


それがいけなかったのか、名前がふざけていたのがいけなかったのか、アイデアがパクリだったのがいけなかったのか、またもやベーマガ不採用。


「ほんと、ベーマガにすら載らないってどうなのよ」という感じで、H君とふて腐れていたのを覚えている。


■ 市販ソフトの改造


市販のソフトの素材データなどを差し替えて、オリジナルっぽくするのに僕たちは夢中になった。


例えば、H君が持っていたX1用の「信長の野望」はテープメディアだった。(X1用はFD版は未発売)


このプログラムは解析したところBasicで書かれていた。Basicのブートローダーにpatchを当ててあるようで、Basicは直接起動はしないようになってはいたが、NMIリセットをかけてRAMをdumpするとBasicで書かれた痕跡があり、私はメモリイメージからそのソースコードを復元することに成功した。


SharpのX1用Basic(SHARP-HuBasic)のFD版はテープ版と比べるとFDのアクセスルーチンが余分に載っている形になっており、その分だけフリーエリアが少なく、「信長の野望」はFD版Basicのフリーエリアには入りきらない。(たぶん、これがFD版未発売の理由)


仕方ないので、ブートローダーを自作し、「信長の野望」をFD版にすることが出来た。ついでに、「信長の野望」のところを「It's sonの野望」と素材を差し替えておいたのだが、H君にはそれがお気に召さなかったらしく見せた瞬間「こんなもん、いらん」と突き返された。


解析とブートローダーの作成に丸二日ぐらいかかったというのに、開発元のメーカーすらFD版は作れなかったものを作ってみせたというのに、その偉大なる作品を見た瞬間、ゴミ扱いである。まさに人間の残酷さ、非情さを身をもって私に教えてくれたのも他ならぬH君であった。