blogにおける匿名性(2)

次に訴える側から考えてみよう。企業として2chは「人の口に戸は立てられず」であって、よほどのことが無い限り、2chの書き込みに対して訴えようとは思わない。


だがblogは違う。blogは、いつまでも過去の日記を残してあることが普通で、googleで検索すれば簡単にその会社の悪口を書いたページにぶち当たるかも知れない。技術的な内容に対してならばそんなエントリーにコメントを書こうものなら「その話題はとっくにobsolete(≒賞味期限切れ)でこんなところに粘着してくるなんてキモイ!」と返されるのがフツーだろうが、企業相手の批判・中傷とあればそうもいかない。


書いた本人がいくら“過去”の記事だと主張しても、サーバー上で公開しているのは“現在”だ。当然、過去の記事に対しても現在進行形で書いた本人に責任がのしかかってくる。他人の批判、まして企業の批判ならばよほど気をつけないと訴えられかねない。blogってところは井戸端会議をしているわけでもなければ飲み屋で話しをしているわけでもないのである。どれだけアクセスが少ないblogだとしても検索エンジンが見にくる限りは、れきと世界に向けて配信していると思って間違いないだろう。過去の記事がいつまでも残っているというのは時限爆弾を抱えているのと同じであって、一番読まれてはまずい相手に向けてメガホンで怒鳴りかけているのと同じだということを自覚しておかなければならない。


「そんな簡単に訴えられないよ」と思っているかも知れないが、そんなに甘くもないんだな、これが。(つづく)