ドジ研と金子氏と京都府警

このblogで一度でも「コメントを書く」ことをした人ならばリンク元の表示が出ることを知っているかも知れない。そして、その大手リンク元として、t-potさん(http://www.t-pot.com/)のアンテナ(http://hp.vector.co.jp/authors/VA011430/antenna/)があることに気づいているかも知れない。


このt-potさんが書いている「ドジ研アンテナ」の「ドジ研」とは、もともとGDCのカンファレンス等で知り合った3D界隈の人のつながりに端を発する。(らしい) t-potさん(IFさん)はもとより、Winnyの金子氏や、Game Programming Gemsの翻訳を手がけている狩野氏等、そうそうたるメンバーだ。


一部のドジ研メンバーの間では、ずいぶん前から金子氏がWinnyを作っているというのは周知の事実だった。状況によっては、私も早い段階でその事実を知ることが出来ていたかも知れない。


それでいて一方、私の場合は、新聞記者から専門家としてコメントを求められたりすることもあって、これまた早い段階で京都府警がWinny作者逮捕のために動いていることは暗に知っていた。(直接、具体的に聞いていたわけではない) そもそも京都府警が動き出すに至るきっかけとなる記事を書いていた新聞記者が知り合いだからだ。


そう考えると、私は非常に微妙な立場に居ることになる。ややもすれば、金子氏の逮捕を事前に食い止めることがもし可能だった人が居るとすれば、それは唯一自分だけではないのかと言う気もしてくる。そもそも、私もWinny以前の段階でP2Pによる共有ソフトは作ろうかと考えていた時期があって、それだけでもヒトゴトではないというのに、その上こういう複雑な状況下にあって何とも心苦しい。


P2Pは、Skypeの成功を見てもわかる通り、今後インターネットの根幹になるべき技術である。ひょっとすると将来的にはサーバーもP2Pでnetwork上にfloatingさせるのが主流になる可能性だってある。レンタルビデオもインターネット配信がメインになって、そのときにP2Pによる配信が使われるかも知れない。そこには無限の可能性がある。それなのにWinnyで負のイメージばかりが先行してしまった感がある。私がそのイメージを少しでも払拭することが出来ればいいのだが..それが、金子氏逮捕までに何もしてあげられなかった自分にとっての贖罪になるのではないかと考えている。