半減期が過ぎてるから安全だと?!


半減期が過ぎてるから無害」だとか書いてあるブログがあるらしいので、どこのアホがそんなことを言っているのかと思ってワクワクしながらクリックしたら苫米地英人という人のブログだった。


茨城・福島の牛乳、ほうれん草は無害だ。ヨウ素131の半減期は既に過ぎている
http://www.tomabechi.jp/archives/51239797.html


まあ、理系の諸氏に限らず、算数さえ出来れば「はぁ?何言ってんの?」レベルの話だと思うので、その記事のことは特にこれ以上は触れない。


ただ、この人のことをWikipediaで調べると、次のように書いてある。

LISPのエキスパートとしても知られ、イェール大学大学院では、オブジェクト指向LispのTプログラミング言語により、超並列処理システムなどを構築している。カーネギーメロン大学計算機科学部に移籍後は、Common Lispの生みの親、スコット・ファールマン(Scott Fahlman)教授の下でLispプログラミングの修行をする。カーネギーメロン大学博士論文の指導教授会にもファールマンの名前が見られる。この関係か、帰国後もCommon Lispの普及に尽力し、通産省の予算でCommon Lispで記述されたWeb サーバである、Lispache サーバなどを発表している[9]。また、Common Lispにおける動的オブジェクト指向モデルのCLOSの普及にも尽力している[10] [11]。


なんだよ、これ。全部に[要出典]とラベルを貼ってやりたいレベルだよ…。



あと、出典が明記されている[9][10][11]に関しても、


[9]は納品物が見えない。自分の会社のサイトに納品実績として書いてあるだけ。それが何であるかすらわからない。
[10]は日本Lispユーザ会のサイトからCommon Lispの個人ページとしてリンクが貼られているだけ。
[11]はリンク切れ。


子供騙し以外の何物でもないな。なにこれ?本人がWikipedia自分で編集してるの?
Wikipediaでこんな胡散臭いページ、久しぶりに見たよ。


ああ、あと、Lispache↓に関してはツッコミどころ満載なんだけど、まあ、10年前の資料を現在の視点で見て批判するのはずるい気もするのでこれについての詳しいコメントは控える。
http://www.crl.co.jp/product/prod_lispache.html



この人の学位等には嘘はないと信じたいし、ブログの内容から技術者としてド素人ではないというのはわかるのだけど、本当のスペシャリストが居て、その人の持てる知識・知恵を100とすると、こういういろんな分野に首を突っ込む人って、それぞれの分野で70ぐらい、よくて85ぐらいだと思う。


まあ、85であれば、専門家を名乗っていいとは思うけど、本当はその85を90にし、90を95にするのに莫大なエネルギーが必要なんじゃないのかな。


逆に言えば、ある程度の素養さえあれば、70ぐらいなら、軽く教科書読んで、論文少し漁れば身につくんじゃないかと。だから70と80の差って雲泥で、80と90の差はそれよりさらに大きな差として立ちはだかっていると思える。


たぶん、そこは対数関数のようになっていて、90を100にするには、80→90の10倍ぐらいのエネルギーが必要だ。でもそれだけエネルギーを費やしても必ずしもその業績が評価されるとは限らないから、要領のいい人は70か75そこいらで止めておいて、別の分野に行っちゃう。


そういうのは頭の良し悪しではなくて要領が良いか悪いか、あるいは、その研究を続けたいのか続けたくないのかという性格レベルの問題なんだと思う。