将棋の歩三兵に対する覚書(1)

将棋では対局する二人に大きな実力の格差がある場合、駒落ちと言って、強い駒を取り除いた状態でゲームをプレイする。飛車と角を取り除くのが、二枚落ちである。


では、どこまで駒を取り除いて良いかと言うと、普通は4枚落ちか6枚落ちぐらいで、それ以上駒を落とすといくら実力差があるとは言えゲームとして成立するか怪しくなる。

相手との棋力の差を考慮し、飛車・角行に加え、金将銀将・桂馬・香車まで落とす十枚落ちまでの手合割がある[2]。まれに、上手の玉の他に何も駒がなく持駒に歩3枚を持つだけの「歩三兵」や、金落ち、銀落ちといった特殊な駒落ちが指されることもあるが、あまり一般的ではない。


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%86%E6%A3%8B

ここでは、この「歩三兵ふさんびょう」について考察したい。


上手うわて(駒を落とす側)が、持ち駒が歩三枚だけで、玉以外に上手の駒は盤上に配置しないという初期陣形で、将棋指しなら一度は目にしたことがあるだろう。


駒落ちは上手が先手なので、まずは2四歩と相手の角頭に歩を打つ。下手したてが同歩ととれば2三歩で角が犬死して大事件だが、2四歩に対しては3二金とか3二銀とかで事なきを得る。二手目に3二金と指されれば上手としては投了せざるを得ない。*1


ところが、歩三兵の特殊ルールとして、「上手だけ二歩有り」*2と言うのを採用することがある。これがあると、歩三兵はたちまち難しくなる。プロ棋士相手に勝とうと思えば、アマチュア初段ぐらいでないと辛いだろう。


確か米長先生の将棋の入門書(タイトル失念)に、二歩有りルールの場合の歩三兵の序盤の変化について解説があったと思う。


では、歩三兵の公式ルールはどうなっているのか?
気になったので、ちょっと、プロ棋士の先生に電話して聞いてみた。


(明日のエントリに続く)

*1:三手目で投了するのは悔しいのでもう少し指してみるかも知れない。

*2:二歩というのは一列に二枚目の歩を打つことである。「二歩有り」は正しくは「二歩の禁則が無し」で、三歩も四歩も許される。