将棋の歩三兵に対する覚書(2)


歩三兵のルールが気になった私は、吉本のタレントであり、謎電の作者の大のお気に入りでもある*1プロ棋士神吉宏充先生に電話をさせていただくことにした。


※ 以下のやりとりは、神吉先生に私が個人的に尋ねた内容を私の記憶を頼りに私が勝手に編集したもので、日本将棋連盟の公式見解ではありません。また、神吉先生の公式なコメントでもありません。


私 「将棋の公式ルールを明文化したものはどこかにありますか?」
神吉「将棋のルールは、日本将棋連盟発行の将棋ガイドブックにあります。」
私 「そのガイドブックに歩三兵のルールについて載っていますか?」
神吉「そのガイドブックには歩三兵については載っていないです。」
私 「つまり、歩三兵については、公式ルールは存在しないということですか?」
神吉「そうですね。」
私 「神吉先生は、指導対局において、歩三兵では、二歩有りで指されることはありますか?」
神吉「あります。(「せっかく指導対局料を払っていただいて対局するのであれば、勝負にならないと申し訳ないので」的なニュアンスの言葉がここに入るが、長くなるので割愛)」
私 「他のプロ棋士の先生の場合でも、歩三兵の指導対局では、二歩有りのほうが良いと考えている先生が多いのですか?」
神吉「ええ、私のまわりではそうですね。(ここでも同じく、「せっかく指導対局料を払っていただいて対局するのであれば勝負にならないと申し訳ないので」的なニュアンスの言葉が入るが長くなるので割愛)」
私 「歩三兵で二歩有りだとアマチュア初段ぐらいでないと勝つのは辛いのではないですか?」
神吉「確かにそうですね。(ここでも同じく、「せっかく指導対局料を払っていただいて対局するのであれば勝負にならないと申し訳ないので」的なニュアンスの言葉が入るが長くなるので割愛)」」


と言うことになった。二歩有りだと、未知の定跡/未経験の将棋になるので、初めてだとアマチュア初段ぐらいでもプロ棋士相手に勝つのは辛いかも知れない。


こういう新しいルールに対する適応は、コンピュータ将棋のほうが格段に早いと思う。是非、コンピュータ将棋関係者は、二歩有りの歩三兵の序盤を解析して欲しいと思う。

「コンピュータ将棋がプロ棋士に勝ったらどうするか」という問いに対しての羽生さんの返答が「桂馬が横に飛べるようになればOK」(この部分は「金と銀の位置を入れ替える」だったかもしれない、とも書かれています)というものだったそうです。


で、これは"現状では"たしかに有効でしょうが、将来もそれが有効かどうかは疑問です。

http://d.hatena.ne.jp/streakeagle/20080303/1204540934

streakeagleさん(コンピュータ将棋プログラムの「GA将!!!」の開発者)が指摘しているように、この手の新ルールを採用すると定跡を一から研究しなおさないといけない人間側が不利なんじゃないかと。