KCE講師、な・ら・な・い・か(4)

「実際に生徒を前にして教えているところが見たい」とのことだったので、我々は教室に移動した。放課後なのに教室に二人の生徒が残っていた。


Windowsプロフェッショナルゲームプログラミング2【CD-ROM付】 (Game developer books)


彼らを前にして何か講義をして欲しいとのことだった。突然そんなことを言われても、こちらは何も用意していないし、話すことすら考えていない。「お題はありますか?」と私が尋ねると、面接官の一人が私の著書である「Windowsプロフェッショナルゲームプログラミング2」を教室の後ろのほうから持って来られた。


書いてから日が経つので、どんな内容を書いたか忘れていたのだが、実際に手にとってみると鮮明に記憶が蘇ってきた。たとえば、この本に書いてあるゲームのタスクシステムは、私が小学生のころに(いまから20年以上昔の話だ)、パックマンやらゼビウスやらを逆アセしたときに獲得した知識をベースにして現代風にC++で書きなおしたものだ。


パックマンのゲーム学入門


以前、ナムコの『パックマン』の生みの親である岩谷徹氏がとあるゲームカンファレンスの講演のなかでこの私の本のことを話題に出しておられたが、このタスクシステムは氏のプログラムにその源流があるので、それを現代風に書き直したものが、氏の御眼鏡にかなうのは、ある意味当然のことなのである。(つづく)