絶版になる本

ランダウシリーズ


id:yaneurao:20060621で少し書いたが、物理学で有名な本に、ランダウがエフゲニー・リフシッツと共著で書いた『理論物理学教程』シリーズがある。ランダウ自身は、ロシアの理論物理学者で、14歳でバクー大学、16歳でレニングラード大学に入学し、19歳でレニングラード大学で学位を取得している。


力学 (増訂第3版)   ランダウ=リフシッツ理論物理学教程
場の古典論―電気力学,特殊および一般相対性理論 (ランダウ=リフシッツ理論物理学教程)


要するに天才で、こういう天才の思考の片鱗に触れられるだけでも『理論物理学教程』シリーズは非常に意義深いと思うのだけど、このシリーズの半分ぐらいが絶版状態なのだ。復刊ドットコムでも長らく交渉中のステータスのまま膠着状態が続いている。東京図書はなかなか復刊してくれないことで有名だ。*1


私はかねてより絶版になりプレミア価格になっている本を自分の趣味のために買い漁っているのだけど、正直言って私が手にするよりは、専門でその道の研究をしている人が手にするべきだと思う。そういう人たちに安価で提供されてこそはじめて意味や価値があるのに、定価の何倍もの値段でなければ買えない現状にはやるせなさを感じる。出版や流通の仕組みそのものに疑問を抱かざるを得ない。*2


以下おまけとしてランダウの有名なコピペを貼り付けておく。こんなネタにされるぐらいランダウは愛されている(?)んだな。


ランダウ「そう・・旨いよ、リフシッツ・・すごく・・・もう電子遷移しそうだよ・・」
時間と共に激しさを増すリフシッツの離散準位に、ランダウは質量欠損していた。
正直、いまだ子供のリフシッツでは充分満足できる異常ゼーマン効果は得られないと
思っていたのだが、 リフシッツの激しい離散準位は思った以上のコヒーレント状態。

リフシッツ「お兄ちゃん、どう?フーリエ展開?」
ランダウ「あぁ・・・すごく、球面調和関数だよ・・」
ランダウの上で重力崩壊するリフシッツの微細構造を愛撫する。
ランダウ「愛してるよ、リフシッツ・・・こんなに場の量子化しちゃった以上、
もうお前を共変微分したりしないから・・・・・・・」
リフシッツ「うん・・・ぅ、ん・・共変・・微分しないでっ・・
私たち・・もうディラックピノールなんだから・・・!」

ランダウはリフシッツの運動量エネルギーテンソルを舌で反対称化し、
リフシッツはハミルトニアン密度をを更にゲージ変換する。

ランダウ「ああ・・・お前は最高の核磁気断熱消磁冷却だよ・・!」
リフシッツ「私・・もう・・・ダメ・・・エルゴ領域・・・!」

リフシッツのファインマン核はもう無限多重積分だ。

リフシッツ「あ、あぁ・・・ぁぁあああっ・・・っっっっ!」

リフシッツの対称性が自発的に破れた・・・・・・。

*1:ちなみに今日の写真はYahooオークションでシリーズすべてが出品されていた(おそらく落札価格は6〜8万だと思われる)ので引用させてもらった。

*2:そういや私が昔書いた本 asin:479800314X も、いまや定価の倍以上の値段がついている。