嘘から出たまこと
飲み会の席で、つい、テキトウなことを言ってしまうことがある。面白半分で、「あれがこんななってるゲームとかあったら面白いのに」だとか「あれがこんななってるソフトがあればいいのに」だとか。
そこだけ見れば、よくある酔っ払いの戯言に過ぎない。私もそのつもりで言っている。でも、私の話を聞いてくれているのはたいていどこぞの会社の社長とかである。私がテキトウに言ったはずの話を真に受け、「それナイスアイデアですわ!さっそく商品化させてもらいますわ!」とか何を思ったか私が酔っ払って言ったアイデアのいくつかを勝手に商品化してしまった。おまけに、先月末にはロイヤリティとしていくらかをうちの会社に振り込んであった。いくらかというか、それがまた愛ちゃん(id:yaneurao:20041219)が何体も買えるぐらいの額なんだけどな。
私は大学卒業後、勤めはじめた会社で設計師として図面を描いていた。おかげでJISの製図法とか相当勉強した。その会社に居たとき、私がいくらそういうアイデアを出しても同僚は、「またあいつ、馬鹿話をしてやがる」という感じだった。その発言は嘲笑の意味ではなく、気さくな仲間として私のことを見てくれていたのだけど、仮に私の話す内容がいくら面白くても、その内容がアイデアとしてどれだけ素晴らしかろうと、彼らにとっては仕事には何の関係もない、一銭のゼニにもならない、ただの与太話に過ぎなかったわけだ。
だから、話す相手を間違えてはいけない。然るべき人に然るべき話をすれば、それはお金になりうる。話す相手を間違えれば、どれだけ素晴らしいアイデアを投げてみたところで、一銭にもならない。そうだ。言葉を無駄遣いしてはいけない。そのかわり、言葉、ひとことひとことを大切にしよう。それが出来て、初めて、嘘からまことを生み出すことが出来るのだから。