収入と能力との関係

カネカネカネゴン


世間一般において、能力と収入は見合うと思われている節がある。特にプログラミングのような専門的な能力ならば、高い能力を持っていれば格段に高い収入が見込めると思われている節がある。誰がそういう誤解を広めたのかは知らないけど、これは私の経験と照らし合わせてみるに、かなりのデタラメだと思う。


私よりハードに長けている人は山ほどいるし、ソフトに長けている人も山ほどいる。そういうなかで、時として私が、人よりたくさん儲けてしまう。(今月の私の稼ぎはおそらく1,500万ぐらいにはなるだろう。) しかしこれは、私の能力が高いということは意味しない。「やねうらおって奴は月に1,500万儲けてるって言うんだから、さぞかし高いプログラミング能力を持っているんだろうな」なんて言うのは、ひどい誤解なのだ。


実際のところ、プログラムなんて子供のころから10年か15年もやっていればいっぱしの領域まで達するわけであって、まして大学生ともなれば(教養があるぶんだけ習熟が速く)5年か6年やっていればひと通り何でも出来て然りだ。そういうレベルにまで達したプログラマにそれほどの優劣があるわけではない。つまりプログラミング能力それ自体にはさほど大差はないのである。それなのに現実問題として収入にはかなりの差がつく。いつまでたっても人並みしか稼げないのは、この理由について正しく理解していないからだ。


つまり、私が言いたいのは「(あるレベル以上に達している)プログラミング能力と収入とはほとんど相関が無い」という事実についてだ。


じゃあ何となら相関があるのか?


答えはひとつではないだろう。本当はこの部分を一番掘り下げて語らないといけない。だけど、私はこの問題についてちょっとやそっとで語りつくせそうにない。だから、これについてはまたの機会に詳しく書くことにしたい。


技術者は金で動くべきでないと思うし、私の後継者たちに金で動く人間になって欲しくはないと思う。だけど自分のやりたい研究に金が必要なのにその金すら自分で儲けられないようなダメな技術者にもなって欲しくない。


世のなか、金がすべてではない。いつだって金では本当に自分の欲しいものは手に入らない。決して金は自分を満たしてくれやしない。金はまやかしだし、嘘、偽りの産物だと思う。だけどさしあたって金がなくては何も始まらない。それも歴然たる事実なのだから...。