第二回電王戦 第2局、第3局


ちょっと時間が取れず、オンエアをリアルタイムでは見てなかったのですが、プロ棋士がニ連敗したようですね。ただ、コンピューター側も終始押され気味だったので「コンピューターが強い強いとは言ってもこの程度か」と思った人も多いかも知れませんね。


将棋の終盤は人間には読みにくく(勝つために読まないといけない筋が組み合わせ爆発してくるので知識や経験で埋め合わせにくい)、そういう部分ではコンピューターに逆転を許しやすいのでしょう。


そういう将棋というゲームの性質を考慮した場合、勝率と言う観点ではコンピューター将棋は人間を超えているのかも知れません。


しかしコンピューターの終盤も入玉などが絡みますと完璧というにはほど遠く、改善の余地は大いにあります。


コンピューター将棋の開発においては自己対戦、もしくはコンピューター同士を対戦させることによって強くなかったかどうかを判断するのが普通なのですが、こういう開発の仕方をすると対人間戦では裏目に出ることがあります。


例えば、コンピューター将棋は入玉評価が甘く、入玉を積極的に狙ってくるソフトはほとんどないのですが、人間側が「このソフトは入玉の評価がいいかげんだな」とわかればそればかりを積極的に狙ってきます。そういう形でソフトの弱点を一つでも見つければそこばかりを執拗に攻めてくるのが人間です。


そういう意味では、自己対戦の勝率を上げるようなチューンは、平均的な棋力を向上させるかも知れませんが、勝率に響かないような、現実的にあまり出てこない戦型での局面評価は相対的にいい加減になっていきます。人間の場合、そういう弱点を執拗に突いてくるのでレーティング(棋力)上、格下の相手にも勝てないということは起こりうるわけですね。