全米ナンバーワンのピアニストが知り合いにいるのだが…


私の知り合いに全米ナンバーワン(自称)のピアニストがいる。


いや、小さいコンクールで優勝した経験があるだけ(だと思う)で、それをもって本当に全米ナンバーワンかどうかは私は知らない。本人はナンバーワンだと頑なに主張しているが眉唾ものである。


いまさら言うまでもないことではあるが、日本はピアノの生産量、世帯普及率ともに世界一位である。世帯普及率は20%を超え、奈良県で34.5%(2009年度調べ)など異常な数値となっている。


まあ、だいたいにして、3歳から始めたとしてもバイエル卒業ぐらいまでに半数ぐらい脱落して、ツェルニーの100番,30番,40番,50番と進むうちに半分、また半分と脱落して、ツェルニーの50番が終わるのは10人に一人いるかいないかぐらいなのだが、それでも元の母数が大きいから、相当数の人がプロのピアニストレベルの演奏技術を持っている。


大きな会社なら一人や二人プロレベルの人がいるのが普通である。日本はこのように音楽事情に関しては極めて特殊で、「犬も歩けばプロのピアニストに当たる」というぐらいに普及している。


ということをその全米ナンバーワンのピアニストに言ったところ


「そいつはうらやましいね。俺は、こんな田舎に住んでて、まわりには俺の趣味を理解してくれる奴なんて一人もいないよ。まわりの奴らときたら朝から晩まで牛の世話に明け暮れる毎日さ。」(意訳)


とか言っていた。


「まあ、そういう環境だからこそ一途に取り組めて全米ナンバーワン(本当のところどうだから知らねぇけど)になれるんじゃないの?」と言っておいた。