長瀬のUFO閉店について

私が高校のとき、近畿大学周辺のゲームセンターに足繁く通っていた。

近畿大学の最寄り駅は近鉄長瀬駅で、この駅までの道路周辺に雀荘、パチンコ屋、ゲームセンターなどが立ち並ぶ。地元関係者はこの通りのことを「親不孝通り」と呼んでいた。関大前など、駅から大学までの距離がそこそこあるマンモス校は「親不孝通り」化しやすい。

そのなかでも長瀬のゲームセンターはゲーマー達の間でも特に有名だった。1プレイが20円なので遠くから多くのゲーマーが引き寄せられるように集まっていたからだ。

20円であるため、店に寿司詰め状態にされたゲーム筐体で足の踏み場もない。狭くてしょうがない。店員にしても、客の存在自体が鬱陶しくてたまらなかったのだと思う。店内の張り紙にもそのことは端的に現れていた。

以下のサイトに写真が掲載されていたので、いくつか紹介する。

「聖地」長瀬ＵＦＯが閉店しました(Street Fighter II ファンサイト)
http://sf2x.seesaa.net/article/151706269.html

「マナーの知らない野郎が、食べ物を散らかしたり、(中略)しています。上記のような行為を発見した場合、そのマナー知らずにはUFOより永久追放！！　また、清掃費用として1万円を頂きます。(一切、容赦は致しません！！！)」

まるで「北斗の拳」の世界に紛れ込んだのかと思うような荒涼としたゲームセンターである。

「ゲーム機は精密な機械です。故障・不良はつきものです。ドツイたり、ケッたりしても直りません。ドツイて直るのは、お前のド頭ぐらいです。」

この他には「ゲーム機はお前の親の敵ではありません。ドツイたら罰金10万円!!」っていう手書きの張り紙もあったと思う。

「当店に無関係の客でない客によるトイレだけの使用は固くお断りする。発見した場合はいかなる理由があろうと便器の水で顔を洗ってもらいます。」

この張り紙の前のバージョンは手書きであり「見つけたら罰金10万円」という内容だったと思う。その紙は「馬鹿言ってんじゃねーよ」と思って、私が破いてやったのであまり知られていないかも知れない。

そんな懐かしのゲームセンターが昨年閉店した。(らしい)

私はこのゲーセンの駐輪場に自転車を留めていて、サドルを盗まれること3回。自転車のタイヤの空気を抜かれること2回。店の前で不良に絡まれること2回。店内で不良にカツアゲされかけること3回、スト2の対戦台で難癖つけられること2回、ヴァンパイアハンターの対戦台で難癖つけられること1回、ゲームをしてたら焼きそばのソースをスボンに飛ばされること1回、ゲーム機の上にかき氷をぶちまけられること1回。

かき氷を食べようと思って自販機にお金を入れたらかき氷の紙コップが落ちてくるところ周辺に氷が溜まっており、紙コップが倒れ、倒れたコップの上に降り注いだときのあの虚しさ。店の外にあるお菓子のベンダー(ボタンを押すとショーケースが回転して、100円を入れると引き出しのように一つ開けて商品を取り出すことが出来る)でお菓子を買おうと思って100円を入れて、好きなお菓子を選んだら、それはお菓子の空箱だったときのやるせなさ。(誰かが100円を入れて商品を取り出し、代わりにお菓子の空箱を空箱だとわからない向きにして入れておいたのだと思う。)

連コイン、連続コンティニューで待たされること3時間などもざらで、このゲーセンにはまったくもってほろ苦い思い出しかないが、ようやく潰れたらしいので、昔のUFOの常連を集めて祝賀会でもしようかと思っている。

何か心当たりのある人は連絡ください。UFOを知っている人もよかったら連絡ください。

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