LionでNASが使えなくなった件


OS X Lionを早速使ってみたのだけど、従来のNASが使えなくなっている。


つまり、TimeMachineしたければ、いまのところUSB接続の外付けHDDを買って直接Mac本体に接続するか、TimeCapsuleを買いなさいってことになる。


TimeCapsuleは悪い製品ではないと思うのだけど、中を開けるとHDDが1台入っているだけなので、クラッシュしたときのことを考えるとバックアップとして使うのは怖い。信頼度で言えばDropboxのほうがマシじゃないかと思う。


Synology*1やQNAP*2など大手NASメーカーは問題は理解していて、早期に対応すると予定はあるようなのだが、FreeNASに代表されるようなOpenSourceのNASプロジェクトはいつ対応してくれるのだろう。


FreeNASが対応してくれたなら、テレビ録画用のWindowsマシンでVMWare×FreeNASという構成にして、そこをTimeMachineのバックアップ先に使うことが出来て嬉しいのだが…。


Netatalk(オープンソースによるAppletalk実装。FreeNASにもこれが使われている)の開発上のバージョンでは、すでにLionの要求仕様を満たしていて、それがリリースされればFreeNASをLionのTimeMachineのバックアップ先として使うことが出来るようになるという話のようなのだが、Netatalkの開発の人たちはこんなことを言っている。


Making money from Opensource, but who makes the source ?
http://www.netafp.com/open-letter-to-the-netatalk-community-501/


超訳すると「Netatalkは衰退しかけのプロジェクトで、開発者はこのプロジェクトのために時間をフルに使い、他には仕事をしてないので金がない。だからOEM製品にまずNetatalkを使ってもらって、金をもらうよ。開発者が居なくなってプロジェクトが存続できなくなるよりずっといいだろ?」ということだ。


OpenSourceの世界も人手不足と資金不足で大手ベンダーにしがみつかないと生き残れない時代が来ているのかな…。


また上の記事には「This is not a fork, but a spoon.」と書いてある。言うまでもなく、forkとはプロジェクト管理上、別バージョンを作成するときの分岐のことである。スプーンというのはたぶんIT用語ではなく、フォークとついにしてユーモアとして言っているだけだと思う。つまり、「フォークではなく、スプーンだ」と言うのは、OEM用にNetatalkの特別仕様のものを用意しているのではなく、提供しているのはNetatalkの本流の開発のものだけど、そのソースをみんなにSourceforgeで公開するのはもっと先になるよという意味だ。


要するにそれまで使わせねぇってことで、当面の間は大手メーカーのNASを使ってなさいってことになるのだろう…。とほほほほ。