LIAR GAMEは嘘つきのゲームではない



LIAR GAME 13 (ヤングジャンプコミックス)

LIAR GAME 13 (ヤングジャンプコミックス)を読んでいて、これ何かに似ている何かに似ているとずっと思っていたのだが、昨日、ふと、それがボードゲームモノポリーだと気づいた。


モノポリーディプロマシーのように他のプレイヤーとある程度自由に取引が出来て、序盤の資産や投資が終盤にじわじわ利いてくるタイプのボードゲームを達人プレイヤー同士で遊ぶとどうなるか。


下位の者同士が手を組んで上位の者の足を引っ張ったり、下位の者同士が協力しあって上位にのしあがったりすることによって自動的にゲームとしてのバランスが取れるのだ。


例えば5位の者が4位の者に取引を提案する。幾分5位のほうが有利な条件で、だ。


普通、取引の条件は対等でなければならないと思うかも知れないが、この手のゲームではそうではないのだ。


1位以外は破滅するゲームにおいては、1位になれないならそれはすなわち死を意味する。


だから、5位が多少5位に有利な条件で4位に取引を持ちかけたとしても、4位はそれを飲まざる得ないのだ。この取引をしなければ4位は1位に勝てる見込みは極めて少ないからだ。下位の者に有利な取引の提案。これは達人プレイヤー同士でやるモノポリーでの常識だ。(たぶん)


リアルな世界でも3位と4位の企業が提携して1位の企業に並ぶことってよくあるじゃん。あんな感じ。あまり世間では知られてはいないが、モノポリーの取引と同じ理屈で、そのとき実は4位の企業のほうは自分に有利な条件を3位の企業に提案することがある。1位になれなければ意味がない業界においては、3位の企業は他に選択肢がなければその提案を嫌でも飲まざるを得ないからだ。


そういう視点でLIAR GAMEを読みなおすと、LIAR GAME10巻〜13巻までに出てくる椅子取りゲームは、嘘つきのゲームではなく、典型的な取引のゲームだなという気はする。椅子が1ターンごとに1つずつ減って行くという簡単なルールなのだが、ゲームバランスがそこそこうまく取れているのは取引が自由に行えるためだろう。