八尾のゆとりをなめんなよ


ゆとりだけでもすごいのに、八尾だけでもすごいのに、八尾のゆとりだぞ。


ちょっとみなさん聞いてくださいよ。今日は、俺様の誕生日だから、自分にご褒美と、とあるお店に買い物に行ったんですよ。


レジに並んでたら、目の前の支払い中のおっさんの商品合計の金額が、505円だったんです。
おっさん、1万円札と5円玉を出したんです。ここまでは普通です。でもレジ係が八尾のゆとりなんです。


1万円に5円玉がくっついていることが想定外と言った表情です。「なんでそんなことすんの?」と言わんばかりです。彼女の目がそう物語ってます。というか、もうお預かりは1万円としてレジ打っちゃったあとで、お釣りが9495円とレジのLCDに煌々と表示されちゃってます。


レジ係の彼女は明らかに困ってます。普通の人ならお釣りは9,500円と即座にわかりそうなものです。9,495円にそのあと追加で受け取った5円を足すだけです。9495、たす、5です。八尾のゆとりをなめてはいけません。ここでキティちゃんの小さなおもちゃの電卓を胸のポケットから取り出しました。「その電卓ってお菓子かなんかの付録?ちゃんと使えるの?」とレジに並んでいた数人が見守るなか、なにやらその電卓を叩いて計算を始めました。


9495、たす、5をやるつもりかと思ったら、なにやら30秒ぐらいいろいろ叩いてます。彼女は「あ、マイナスになった」とか言ってます。お釣りが、マイナスありえんだろ!もうこの時点でかなり怪しい。たぶん505 - 10000 - 5とかやってます。「足すキー」も押していたので、ひょっとすると 505 - 10000 + 5 とかかも知れません。


そんな調子で彼女は電卓をいじくりまわし、3分ほど経過したとき、9500という数字が出たようです。ここまでくれば、もはや奇蹟としか言いようがありません。その電卓に表示された9500という数字、そして、レジのLCDに表示されている9495という数字、そして最後に出された5円。彼女はその3つを何度も見比べ「謎はすべて解けた!」と言いたげな表情で「お釣りは9,500円ですね!」と言いました。彼女の甲高い声が店内に響き渡りました。


レジにはすでに長蛇の列。これだけ時間を使って、電卓まで持ち出して、いまごろ「お釣りは9,500円ですね!」って言われても、この列に並んでいる人はみんな「んなこと最初から誰もがわかっとるわ!あんた以外の誰もがな!!!」って心のなかでツッコミを入れまくっていることでしょう。私はもはや42.195kmのフルマラソンを48時間かけて完走した人を見るような温かい目で見てましたけどね。


これが八尾のゆとりです。ともかくすごいんです。八尾ではこれが日常茶飯事なんです。