VistaからWindows7にupgradeしてみた
MSDN subscriptionでWindows7 RTM日本語版のダウンロードが開始されたので、さっそくWindows7 Ultimateをインストールしてみた。
Vista UltimateからのUpgrade。マシンは、iMac MB325J/A (2800)。
ISOイメージをDVD-Rに一度焼くのが面倒だったのでVirtual CloneDrive(→ http://www.slysoft.com/ja/virtual-clonedrive.html)で直接仮想DVDドライブにマウントしてVista上から、setup.exeを起動してインストール。
互換性レポートでBootCamp,etc..が使えないと表示される。本来なら、それらのソフトはアンインストールしてからインストール開始すべきなのかも知れないが、面倒なのでアンインストールはせず。
あと、このマシンでは、Visual Studioの高速化のために GAC_32/ とかに、junctionを作ってあるのだが、*1この状態でインストールが成功するのか試してみたくて、そのままインストール開始。
インストールには時間かかりすぎ。5時間ぐらいかかった。普通は25分ぐらいで終わるらしいので、やはり何かおかしいのだと思う。しかしインストールは無事成功。
・BootCampはそのまま使えるようだ。またboot時にMac OS Xを選択して起動することも依然として可能である。
・ビデオカード、サウンドカードなど、デバイスドライバの入れ直しは一切発生しなかった。
・デスクトップ上に置いてあったショートカットなどはすべて復元された。
・デスクトップの背景も復元された。
・タスクバー領域の「リンク」ツールバーにおいていたショートカットは復元されなかった。おかげで探すのに苦労した。しかし、タスクバーの「リンク」にショートカットを配置しても「不明な発行元」を告げるダイアログボックスが出る。Windows7では、タスクバーの使い方を変えなさいということか…。
・タスクバーがすごく改善されている。
・「Windowsキー + 数字キー」のショートカットが便利。例えば、Windowsキー + '3'ならタスクバーの左から3つ目のアプリがactive/deactiveになる。
・デスクトップで右クリックしたときに出てくるメニューなどはVistaのときと同じ。設定をきちんと引き継げている。
・タスクバーのアイコンを並び変えなどしていると、explorerが落ちた。タスクバーは何か動作が不安定なところがある気がする。一般販売までにWindowsUpdateでfixされるのか?
・Office2007、Outlookのアカウント設定、ブラウザのcookie、VisualStudioの設定、スタートメニューなどはすべてそのまま移行された。これらは何の問題もない。
・日本語入力がATOK2009からIMEに勝手に戻された。これは言語の設定でATOK2009に変更すれば問題なく使えた。辞書や設定などもそのまま移行している。いい感じだ。
・リモートデスクトップで外部からログインできなくなった。portは変更(→ http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/win2ktips/341termport/termport.html )していたのだが、このレジストリの値が書き換えられたわけではないようだ。調べてみると、ファイアウォールが原因だった。*2
・リモートデスクトップは、Vista同様、WindowsXPからでもログインできる。逆に、Windows7からWindowsXPにもリモートデスクトップで接続できる。
・RamPhantom3が使えなくなった。スタートアップからは削除された。警告を無視してインストールすれば使うには使えるらしいのだが、パフォーマンスがすこぶる悪いらしい。(HDD並の速度になって使い物にならないのだとか) このへんは将来的にRamPhantom3のupdateで改善されるのかも知れないが…。
・ウイルスバスター2008やNod32 V3は互換性のレポートで警告が出る。ウイルスバスター2009、Nod32 V4以降なら使えるらしい。
・音楽(DTM)関係のアプリで、マシンのhardware IDが変更になったので再度レジストするように促されるものがあった。レジストしなおせば無事動いた。
・描画は全体的に軽くなったと感じる。描画まわりはずいぶん変更されているようだ。例えば、デュアルディスプレイをまたぐところで動画を再生できる。(以前は、片側にしか描画されなかった。使用している動画再生ソフトはGomPlayer) 動画のスクリーンショットもPrintScreenでとれるようになっている。(以前はオーバーレイで描画されていて、スクリーンショットがとれなかった)
・Virtual CloneDriveが動かなかったが、Virtual CloneDriveの最新版ではWindows7に対応しているようで、これをインストールしなおせば正常に動作した。
・iMacのモニターは明るすぎて目が痛いのでDesktop Lighterというフリーソフトを使っていた(→ http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20080904 )のだが、「画面の解像度」→「詳細設定」→「色の管理」のところからUIで簡単にカラーバランスを調整できるようになった。Desktop Lighterはもういらないな。
■ ここまでの、まとめ
VistaからWindows7へのアップグレードはかなりよく出来ていて、たいていのアプリは設定を引き継いだままそのまま動く。
ドライバもたいていはそのまま引き継ぐ。low levelのドライバ(仮想COMポートドライバや、アンチウイルスソフト、仮想ドライブソフトなど)は動かないものがある。
タスクバーまわり(通知領域を含む)が大きく改善されているのと、全体的に少し高速化されていることを除けば普段の使用ではVistaの時とさほど変わらないというのが正直な感想である。動かないソフトがあって別のソフトに買い換えることになるぐらいなら無理にupgradeしなくてもいいのではないかと思う。
さて、Windows7でもRamDiskの環境を復活させたい。Gavotte RamdiskはRAM Phantom3よりはマシだが、それでもVistaでの動作に比べると半分ぐらいの性能しか出ない。
せっかくなので、市販品ではあるがeBoostrのProfessional版(→ http://www.eboostr.jp/ )を導入してみた。このソフトは、Windows7に対応している。OS管理外領域からメモリを割り当てられるわけではないのがこのソフトの残念なところだが、その場合、Gavotte RamdiskのようなRamDisk作成ソフトと組み合わせて使うと良いだろう。
Gavotte Ramdiskはいろいろ面倒くさそうなので、とりあえずOS管理内のメモリから1GBほど割り当てて使ってみた。
Windows7になってからメモリ消費が少し減ったので、1GBぐらい割り当てても大丈夫だろうと判断し、1GBをeBoostrに割り当ててみた。
Visual StudioはeBoostrを使わないときより少し起動が速くなった気がしないでもないが、あまり変わらない。また、Windows7になってからファイルシステムはずいぶん改善されているのか、同じファイルの2度目以降のアクセスはそんなに遅くない。だから、eBoostrを使ってもあまり改善されている気がしない。
せっかくなので、Gavotte RamDiskをWindows7に導入(参考記事→ http://evh5150.blog36.fc2.com/blog-entry-697.html )して、eBoostrにOS管理外から1GB割り当ててみた。Gavotte RamDisk自体は正常に動作しているが、eBoostrから使うのでは効果はやはり乏しい。
プログラムを書いているときは、コンパイル時に一時的なファイルがたくさん出来るので、diskに対して遅延書き込みを行なってくれるとパフォーマンス向上を期待できると思うのだがSuperCache3(→ http://www.superspeed.com/desktop/supercache.php )は、Windows7はおろかVistaにすら対応しておらず。
そもそも、Windows7になってから、disk cacheのアルゴリズムが改善されたのか、二度目以降の読み込みはそんなに遅くはない。Visual StudioもVistaでRamPhantomを使っていた時と同じぐらい快適である。
結局、Widows7ではRamDiskはあまり得策ではないのかも知れない。たいした効果があるわけではないので、RAMが4GB以上あるなら素直に64bit版Windows7をインストールして、OSに任せたほうがいいような気がする。
*1:→ RAMディスクでVisual Studioはどこまで速くなるのか? http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20090710
*2:ファイアウォールの機能が拡張されて、ホームネットワークのファイアウォールとパブリックネットワークのファイアウォールと別になったのが原因か? 受信の規則のところで、リモートデスクトップ用の規則の詳細設定で、プロファイルとしてプライベートも指定すれば無事リモートデスクトップでログインできるようになった。