ZeptoPad 2.0


ZeptoPadの2.0と、無料版がリリースされた。


ZeptoPad2.0をリリースしました
http://d.hatena.ne.jp/shi3z/20081209/1228788435


ZeptoPad 無料版をリリースしました
http://d.hatena.ne.jp/shi3z/20081213/1229125691



私は「ZeptoPadは未来のメモ帳か?」(→ http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20080927 )でZeptoPadのことをボロクソ言ってしまったのだけど、shi3z氏はそれを無視するどころか、真摯に受け止め、機能追加という形で対応してくださった。同じ経営者として、頭が下がる思いである。


今回、追加された機能は
・リアルタイムプレゼンテーション機能
・バックアップ/リストア機能
・PDF出力
Bonjour対応
だ。


この「リアルタイムプレゼンテーション機能」は、Veency(要JB)を使えば、同じようなことは出来るのだが(→http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20080928 )、ZeptoPadの標準機能として備わっていることに意味がある。この機能によってiPhoneが直接的にプレゼンツールに変貌する。これは素晴らしい機能で、プレゼンのためにさっそく活用させてもらっている。



私はZeptoPad 2.0がリリースされてから、このブログで取り上げようとしばらく考えていた。正直言うとZeptoPadに私の意見が取り入れられたことは今年の出来事のなかで一番嬉しかった。だけど考えがいつまで経ってもまとまらない。時間はどんどん経過する。


このアップデートはあまりに嬉しかったのでブログで取り上げるのはクリスマスにしてshi3z氏を驚かせよう!とまで思ったぐらいだが、クリスマスになっても考えがまとまらない。仕方ないのでゆきにゃんの変態動画サンタ動画(→ http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20081225 )なんかを紹介してしまった。


クリスマスを過ぎると次第に落ち着いてきて、考えがまとまらない原因がやっと自分で理解できた。


私はやはり紙と鉛筆こそが至上の思考ツールだと考えているのだ。iPhoneのような書き心地の悪いデバイスで、メモをとったりする気には私はなれない。議事録的なメモをとるなら、ZeptoPadの姉妹品のZeptoLinerというのもある。(→ http://zeptoliner.com/ ) こちらのほうが議事録的なメモには向いている。


しかし、「iPhoneでメモをとる」というのは私にはしっくりこない。本当に議事録をとるつもりならiPhoneでやらなくともノーパソでいいじゃないかと思ってしまう。ノーパソのほうが遙かに入力が速く、その場で議事録を完成させてしまうことだって出来る。逆に簡単にその場でメモがしたいだけなら、紙と鉛筆だけでいい。


「紙と鉛筆を持っていきたくはないが、iPhoneなら携帯電話なのでいつもポケットに入っている」というのが平均的なiPhoneユーザーなのだろうから、私の言っていることがおかしいのは明白だが、私はiPhoneで電話したこともないし、ほとんど持ち歩きもしない。そもそもほとんど出歩かない。完全なる引きこもりである。もうその時点で平均的なユーザーとは激しく乖離している。私がZeptoPad/ZeptoLinerについてまともなレビューが出来るはずもない。


そもそも、私がiPhone用のメモ帳アプリを作るなら、編集機能や入力の改善は端っから放棄し、紙と鉛筆では絶対出来ないことのみに特化すると思う。例えば、写真や音声をGPS座標つきで保存してあとで検索できるようにするだとか、事前に作成してiPhoneに転送しておいたpdfを「リアルタイムプレゼンテーション機能」で表示できるようにするだとか、skydrive/GMailをストレージ代わりに使い、そこに事前にアップしておいたWordの文章をiPhone上で検索して閲覧できるようにするだとか、音声を録音してあとでN倍速再生できるだとか(議事録起こしに使うため高速再生が出来て欲しい)。


結局、私はiPhoneの文房具として可能性に全く期待していなくて、ノーパソや文房具を補うツールをiPhoneに期待している。それに対して、shi3z氏が目指しているのは、ノーパソや既存の文房具をiPhoneで置き換えることである。出発点が違いすぎる。


では、この出発点の違いはどこから来るものなのか?


「いま、ノーパソや文房具は持ち合わせてないけどiPhoneならあるよ」という状況に私が出くわすことはまずないと思う。「会議をするなら筆記用具ぐらい持ってこやんかい」(「ノートは美しく」→ http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20081210 )というのが私の考えなので、iPhoneだけ持って会議に出向くことなんてあり得ない。でもshi3z氏は違うのだと思う。ちょっとした場所で、ちょっとしたタイミングで部下から相談を受けて、「ああ、それはこうだね。メモっておくよ」なんてiPhoneを取り出してメモ。飲み会で旧知の間柄の人から何かビジネスのヒントをもらってまたiPhoneでスケッチ。そういう光景が目に浮かぶ。


ZeptoPad / ZeptoLineは、本当にshi3z氏が長年欲しかったアプリで、実際shi3z氏がこれを活用しているのだろう。
そういう意味では、このアプリはまさしく本物のアプリだと思う。