年収1億稼げる(かも知れない)仕事術


昨日のエントリのはてブで次のようなコメントを頂戴した。

2008年11月06日 iww 仕事 これは他の人たちを1000万より先に行かせない作戦


これに反応し、昨日のエントリで、「誰でも年収1,000万円稼げる仕事術」が十分伝わったと思うので、今日は、年収1億稼げる(かも知れない)仕事術を書いてみたいと思う。(別に私が年収1億稼げているわけでも何でもないが。)


また今日の前提として「毎日15時間働いて年収1,000万」と言うのは達成できているものとする。これが出来ない、あるいは出来そうもない人には全く無縁の話なので、申し訳ないが、すみやかにご退場願いたい。


私は人に仕事を依頼する都合上、必ず「あなたは月にいくら欲しいですか?」と尋ねるようにしている。相手を値踏みするのだ。読者のあなたも、どこかの経営者からそのような質問を受けることが多々あるだろう。私もよく尋ねられることがある。


そういう時に、どう答えるか。これが一番大切だ。もう交渉は始まっているのだ。
まあ、その提示する額はどうでも良くて、その理由が大切なのだが。


このとき、業界相場ぐらいを何も考えずに答える人とか、自分の生活が余裕を持って成り立つぐらいの額を何も考えずに答える人とかが多い。そういう人は交渉が下手だなぁと正直思うし、私がお金を払うほうの立場ならそんな人にお金を払いたくはならない。


私から出来る一つのアドバイスは、このときどれだけの仕事をどれだけの時間で行なえるから、どれだけの額になるのか妥当なのかを理路整然と説明するべきだと言うことだ。


私は先日、「やねさんにプログラムの仕事をお願いしたいのだけど、一ヶ月おいくらにしてもらえますか」と何社も会社を経営している人に尋ねられた。私は間髪入れず「400万」と真顔で答えた。


もちろん、その人は心底びっくりされた。まあ、たぶん誰でもびっくりするかも知れない。「いくら何でもそれはないんじゃない?」と言われて「いえ。それはとても破格です。とても安い、安すぎる額なのです」と即答し、次のように続ける。


「私は、30年程度プログラミング経験があります。平均的なエンジニアの3倍以上の速度でプログラムを設計し、コードを書くことが出来ます。しかし電話のやりとりやメールのやりとりが極端に人より速いわけではないですし、理解速度が人の3倍速いわけでもないので、大局的には2倍ぐらいの実効値であると仮定しましょう。


次に、私は毎日15時間のデスクワークをすることが出来ます。普通の人が毎日15時間も働けば過労死してしまいます。しかし、私は決して過労死しません。何故なら、デスクワークをすることに何のストレスも感じないからです。


《昨日のエントリの文章がいくつかここに入る》


つまり、(ワーストケースでも)2倍の3倍で、少なくとも人の6倍の仕事量がこなせます。平均的なエンジニアへの支払いが40万だとしたら、その6倍で月に240万円相当の仕事をこなせます。


ここまではご理解いただけますか?」


「ああ、なるほど」と言う返答をもらう。それを確認して、私は次のように続ける。


「私が一人でプログラムを書く時は上司に進捗を報告する必要もなければ、部下の進捗を尋ねることもありません。また同僚と共同作業をすることもありません。同僚にプログラムの構造を説明することもありません。


エンジニアが二人以上で作業する場合、同僚にこんなプログラムを書いてくれと伝えるのにとてもロスが発生します。平均すれば2割ぐらいのロスがあるでしょう。二人は1.6人分しか働けません。


10人のチームではそこに加えて進捗報告の時間やグループミーティングの時間が発生しますし、各自がそれぞれ等しく新しいテクノロジーを学ばなければならないため、学習コストが10倍になります。しかも途中でプロジェクトから抜ける人の引き継ぎをしたり、設計が破綻していて完成しないリスクだってあります。


つまり、収穫逓減があり、人数が増えてくるとロス率も上がります。10人ぐらいの平均的なプロジェクトでは4割程度のロスが出るのが普通です。すなわち、10人居ても6人分しか働けていません。これでは私の作業スピード(6倍)と同じです。


しかも各自の書くコードにはムラがあるので能力のない人のコードを書き直したり、複数人で作業しているので一貫性のないコードになっていて保守が大変だったりすることが往々にしてあります。


私に任せていただければ
・設計が破綻するリスクがありません。
・一貫性のないコードになるリスクがありません。
・途中でプロジェクトメンバーが抜けて暗礁に乗り上げるリスクがありません。
・本を数冊書いた程度には文章を書き慣れており、不明瞭なドキュメンテーションになることがありません。
それゆえ私一人で10人の精鋭チームに相当する戦力となるのです。」


この説明を聞いてわかってもらえないような人なら、そんな人の仕事は受けないでおこうと思っていた。


ところが、その人は「なるほど。それで月に400万はとても破格だね。安すぎるよ。じゃあ、僕はXXX万出させてもらうよ。それでいいかい?」と言う話になった。そんなわけで私は来月はしゃにむに働いているのでこのblogの更新は滞るかも知れません。