iPhone用アプリをLinux環境で開発するには?


今回はiPhone用アプリをLinux環境で開発する方法について取り上げてみたい。


iPhone Open Application Developmentと言う、今年の3月に出たJonathan Zdziarski氏の本があって、JB本なんて呼ばれている。氏はnes(ファミコンエミュ)の開発者だと言ったほうがわかりやすいかも知れない。


この本は、JBして、toolchainを入れてプログラムしましょうって本だ。JBの仕方(古いFWに対してだが)から説明してある。開発に使用するプラットフォームは、以下のものだ。

Mac OS X 10.4 Intel or PPC
Mac OS X 10.5 Intel
Ubuntu Feisty Fawn, Intel
Ubuntu Gusty Gibbon, Intel
Fedora Core, Intel
Gentoo Linux 2007.0, x86_64
Debian 2.6.18
CentOS 4


これならMacを持っていない人でも開発は出来そうだ。Windows環境の人はCygwinで我慢するか、VirtualPC2007(無償)にCentOSでも入れて使うか。


ところで、このJB本だが、いまのところ日本語版は出る予定はないらしい。(※日本のO'Reillyの編集の人から直接聞いた。) 法的にはグレーなので(JB自体がiPhone利用規約に反する可能性あり)仕方がないのかな…。

Iphone Open Application Development: Write Native Applications Using the Open Source Tool Chain
Jonathan Zdziarski
Oreilly & Associates Inc
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そして、この本の第二版が今月に出ることになっている。発売がまだなので、私は内容は確認をしていないが、たぶん、FW2.0系に手直ししたのではないかと思う。


値段も第一版が8,152円だったのに対して、こちらは、4,575円とずいぶん安くなっている。

toolchainを使えば、iPhoneの公式なSDKでは出来ないことも出来るようになる。そういう意味では、かなり自由度が高い。しかし、AppStoreの審査が通らないのでCydia/Installer用に配布するしかない。


もしかするとiPhoneの公式SDKにあるAPIしか使わないならAppStoreの審査が通るのかも知れないが、情報が無いので私にはよくわからない。まあ、iPhoneのアプリを作って一儲けしてやろう!と考えている人はtoolchainなんかで試行錯誤している時間がもったいないので迷わずMac miniiMacを買うべきだとは思う。


そういや、このJB本の著者は先月iPhone Forensicsって言う本を出していて、O'Reillyの編集の人に献本してもらったので読んだのだけど、コンタクトリストや写真フォルダのデータがどう格納されているかだとか、Safariのキャッシュはどこにどう格納されているかだとかそんな内容だった。


JB本と二つ合わせて使えば、その手のデータを扱うアプリを作るときに役立つのかも知れない。


あと、先日、iPhoneの公式SDKに関するNDAが解禁されたので、NDA解禁待ちだったiPhoneアプリ開発本がいくつか発売になった。このあと何冊も出るだろう。JB本の著者もIphone Sdk Application Development: Building and Listing for the Appstoreと言う本を来年2月に出すようだ。


iPhoneの公式SDKを用いた開発本については、もう少し出そろってからそれぞれについてレビューしたいと思う。