ZeptoPadは未来のメモ帳か?

iPhone向けのメモアプリとして注目度が高いのは「ZeptoPad」だろう。
このアプリの価値のわかる人には根強い人気がある。


しかしアップルストアでのレビューは散々である。


これは「未来のメモ帳」を標榜するZeptoPadの完成度の低さも一因にある。


アップルストアのレビューにあるような不具合は除いたとしても機能面においてもメモ帳アプリとして明らかに不足している点がある。


・カメラフォルダから写真をimportは出来てもZeptoPad内で直接写真を撮れない。
・ボイスメモが残せない。ボイスメモに対してコメントを残して行きたいというような人も多いだろうに…。
GPS情報が残せない。写真はGPS情報が大切で、あとで場所を指定して検索の絞り込みをしたりしたい。
・最後に編集したメモが一番上に来る。時系列順で並び替えて表示させたり、月ごとにフォルダに整理して行きたいのに…。
・他のiPod Touch/iPhoneとsyncさせる手段はあるが、パソコン側に保存させる手段がない。(画面のSSをカメラフォルダにexportすることは出来るが文字として保存したい)


そういう意味では、ZeptoPadで書けるのは数日後には破り捨てるタイプのメモだ。一言で言えばアイデアを走り書きするためのノートだ。いつまでも残したいアイデアを書くためのツールでもなければ、いつまでも残さないといけないような記録をとるためのツールではないのだ。


この手のツールでそれぐらいのことをきちんと商品説明として書いていないのはまずいと思う。何が出来て何が出来ないか、そして何をバージョンアップで対応させる予定にあるかぐらいきちんと説明すべきだ。アップルストアのレビューが散々なのは、買った人が変に期待しすぎたからではないかと思う。(内容以上のものだと思わせるshi3z氏の文章の上手さが裏目に出たのか?)


また、ZeptoPad自体はマインドマップを描くことに特化しているわけではないので「マインドマップも描ける」などと宣伝するのは誇大広告じゃないのかと思う。これを「マインドマップも描ける」と言うなら、Windows付属のペイントでだって「マインドマップも描ける」だろう。


そもそもiPhoneのソフトウェアキーボードで紙を上回るような文字入力や作画が出来るはずもなく、また、スタイラスでもないので細かい絵は描けない。画面もパソコンほど大きくはないので、細かく描こうと思えばzoom in/outを繰り返しながら描かなければならない。


思うに、マインドマップが本当に描きたいなら、紙の上か、さもなくばパソコン上でやればいい。紙には紙の良さがあるわけで(→http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20080902)iPhoneで紙以上のことが出来るとは思わない。(私の場合、どちらかと言えば引きこもりなので、紙とボールペンが常に側にある。このへんはデスクワークが中心ではないビジネスマンは事情が異なるかも知れない。)


しかし、ZeptoPadは、会議や商談の時に、ちょっとした図を描いて相手に説明するのにはいいと思う。プレゼンツールの一種として使えそうだ。(そういう意味では、iPhoneがプロジェクタに簡単に繋げられれば良いのだが…。)


以上のことを十分理解した上で、↓のZeptoPadのプロモーションビデオを観て欲しいと思った人は、ZeptoPadを本当に必要としている人なので迷わず買うべきだ。



■ 追記(2008/9/28 3:21)


shi3z氏からtrackbackをいただきました。(ありがとうございます)
http://d.hatena.ne.jp/shi3z/20080927/1222537108


ZeptoPad」をはてなキーワードに登録していないのは、はてな界隈からZeptoPadの使用レポートなどを吸い上げるのに不利だと思ったので老婆心ながらキーワードを登録しておきました。
http://d.hatena.ne.jp/keyword/ZeptoPad