コンピュータ囲碁がプロを相手に初勝利

22日の深夜からコンピュータ囲碁とプロが対戦している。
コンピュータ側は数百台から成るスーパーコンピュータを使っているらしい。


ソフトは、MoGo(「モンテカルロ碁」の略)で、モンテカルロ法(終局までランダムに打たせるシミュレーションを延々と繰り返させて勝率の高かったところを次の一手とする)とUCTを用いている。*1


このため、並列化効率がそれなりに良いようで台数効果が出やすい。
4局対戦するようだが、3月23日4:00現在、2局目にして1勝1敗。
9路盤ではあるが、コンピュータ囲碁がプロに初めて勝てた歴史的瞬間である。
これは、間違いなくコンピュータ史に残る。


モンテカルロ法 + UCTでのコンピュータ囲碁はまだ数年の歴史しかなく、まだまだアルゴリズム的な改良による棋力向上も期待されている。


従来は囲碁のほうが将棋より手が広く、評価関数の作成も困難で、囲碁のほうがコンピュータにやらせるのは難しいとされていたが、モンテカルロ法 + UCTで従来型の評価関数を作る必要がなくなってしまい、並列化にも向いているようで、台数による性能アップが難しいコンピュータ将棋より今後の進化が速そうだ。


9路盤と19路盤とでは複雑さが桁違いなので、まだまだ19路ではコンピュータはプロには遠く及ばないだろうが、面白いことになってきた。

Computer-GoのMLによると、MoGoとCatalin Taranu プロ5段が
22日と23日に9路と19路で対戦するそうです。

MoGoはINRIA(フランス国立情報学自動制御研究所)にあるスーパーコンピュータを
数百台使う!そうです。

9路が30分切れ負けで3局、19路は1局、とのことです。
対局はKGSで中継される予定です。

3/22/08 3:00 PM (GMT)(日本時間 22日(土) 24:00開始、22日深夜)
Game I (9x9) 30分切れ負け、次の対局は90分後に開始。
Game II 9x9
Game III 9x9

3/23/08 3:00 PM (GMT)(日本時間 23日(日) 24:00開始)
Exhibition game (19x19)

タラヌ カタリン(Catalin Taranu) 5段(ルーマニア出身、日本棋院中部総本部)
http://www.nihonkiin.or.jp/player/htm/ki000347.htm
MoGo/professional challenge
http://computer-go.org/pipermail/computer-go/2008-March/014517.html
http://paris2008.jeudego.org/ (フランス語)


コンピュータ将棋や囲碁掲示
http://524.teacup.com/yss/bbs

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小宮日記のほうで実況されている
id:mkomiya:20080323


囲碁ソフトについて語るスレ7
http://game14.2ch.net/test/read.cgi/gamestones/1190707899/

*1:論文を日本語訳された方がいるので詳しくはこちらを。
http://www.geocities.jp/hideki_katoh/RR-6062-v3-jp.pdf