Lego pneumatics
レゴは普通、タイヤを回転させたりしようとするときはモーターを使う。しかし、空気圧で動かす方法がある。*1
A Primer on Lego Pneumatics
http://www.fifth-r.com/cssoh1/primer.htm
上のサイトにも説明があるが、空気圧部品の仕組みは単純である。
・ポンプ --- 自転車の空気入れのような形状と役割を果たす。ポンプを上下させて空気を送り込む。
・タンク --- 空気を蓄えておける。
・スイッチ --- 空気の流れを切り替えられる。
・シリンダ --- 空気圧によって直線的に動く。
レゴには、空気の流れの切り替えのための手動スイッチがあって、このスイッチは次の3つの状態をとる。
スイッチの状態
・レバーが右 --- この状態だと中央と右の穴とが結合される。左の穴はopen(空気が抜ける)である。
・レバーが中央 --- この状態だと3つの穴はどれとも結合されていない。
・レバーが左 --- この状態だと中央と左の穴とが結合される。右の穴はopenである。
ポンプの上下を機械化するのは(制御機能のない)モーターで十分である。スイッチ自体を手動ではなくNXTのモーターから制御している人も結構いる。次の例は、スイッチこそ手動で操作しているが、空気圧で動くロボットアームをレゴだけで作ってある超大作である。
Pneumatic Arm
http://www.philohome.com/pneumarm/pneumarm.htm
しかしレゴの空気圧キットはNXTから制御するにはちょっと荷が重い感も否めない。これはスイッチが3状態とることもその理由の一つ。またNXT一台につき3つまでしかスイッチが制御できないというポートの少なさも理由に挙げられる。それに加えて、部品自体も入手しにくい。これでは手軽にやってみようという気になれない。
Fischertechnik社(フィッシャーテクニック社。以下FTと短縮)もレゴのようなおもちゃを出していて、FTのPneumaticsキットをレゴに流用する人も多い。
Fischertechnik Pneumatics
http://www.fifth-r.com/cssoh1/ftpneu.htm
FTのPneumaticsキットでは、ソレノイドバルブ(電磁弁)がついていて、電気的に弁の開閉を制御できる。こちらのほうが空気圧に関してレゴより本格的である。
FTの空気圧ロボット組み立てキットは日本でも代理店から購入できる。*2
空気圧ロボットを使ってみよう
http://mobiquitous.com/device/pneumatic.html
上のサイトではFTの空気圧ロボット組み立てキットの動画が見られる。モーターでは実現しにくい空気圧特有の瞬発的な動きが大変印象深い。
空気圧での制御は位置決めが難しく、空気の配管がとても複雑になるのでたいていはモーターで実現したほうがスマートである。しかし、空気圧にはモーターにない魅力がたくさん詰まっているように思う。
■ 関連記事
Robotics Laboratory
http://robot.gmc.ulaval.ca/en/research/themes.html
空気圧で制御するロボットのための機構についてのノウハウが満載。
*1:Lego Pneumatic Pack #5218には空気圧駆動の実験をするための部品が一式そろっているのだが、現在入手困難で、定価の倍以上の値段で取引されている。レゴで空気圧関係の部品が欲しければ他のキットから部品取りするしかない。#8455のBackhoe Loaderからの部品取りでタンク以外は手に入るようだ。#8455は完成度も高く、(もし入手できるなら)お勧め。動画→http://www.youtube.com/watch?v=-D7K33GXMqI
*2:http://www.kknomoto.co.jp/fischer/catalog.htm
29,400円だが、これには制御するためのインターフェース等が必要。 空気圧ロボットフルキットのほうは60,900円。(←探せばもっと安いショップはある。) レゴで使うために部品だけバラ売りして欲しいと思うのだが…。