マインドストームNXTで作る自動ページめくりブックスキャナ(6)
ページをめくる部分が悩ましい。リコー製のページめくりコピー機で静電気で吸着させるようなものがあったが*1、そんなものはレゴではどうしようもないと思うので、レゴ部品を用いるならゴムローラーぐらいしか選択肢がない。
ページめくりに使うゴムローラーのR(半径)は、摩擦の関係上、ある程度小さいほうが良い。*2
そこで、φ10〜30*3ぐらいで、幅が20〜40ぐらいのものを探す。
レゴ部品ならφ20×幅13のタイヤ(#4184286)とこれに合うテクニック部品(#614326)が手元にあった。この部品は、教育用NXTについてくるようだ。まあφ30mm以下で、幅が10mm以上の表面がつるつるでないタイヤならば何でもいいだろう。
次に、これにシャフトをつけて実際にページがめくれるかやってみる。本は手で固定して、手でシャフトを回して、である。とりあえず力加減と接触位置の調整によって、紙を1枚だけめくることは出来そうだという結論に達したので今日の実験は終わりである。
ところで右の写真の左のほうに映っているのが手書きの設計図(落書き?)なのだが、とても愚直な設計なのでモーターが10個必要だ。NXTは1台につき3個しかモーターを制御できないので、NXTが4台も必要になる。実は、この連載の1回目の記事を書いたあと赤、青、緑のバケツにベース板を買って、デジラでテクニック系パーツを補充し、ワイヤレスカメラやら何やらを購入したのでもう予算が11万ぐらいしか残っていない。それなのに、ここでNXTの2台の追加購入はあまりにも痛すぎる。最悪デジラでNXT本体*2 + モーター*4だけ追加で買っても良いとは思うが、こんなもの完成したとしても誰かが真似をして作りたくなるとも思えない。 なんとか工夫してモーターが7個で済むようになれば、モーターのマルチプレクサで4 port拡張して1台のNXTで動くようにはなるのだが、そのためにはひとつのモーターに複数の役割をさせなくてはならない。 さらに言えば、マルチプレクサはレゴ純正ではないので出来れば使いたくない。マルチプレクサを使う場合の制御がどうなるのか調べるのが面倒だし、モーターのための外部バッテリーも必要になってくるし、そういう変なパーツを使うぐらいなら、NXTを2台使うほうが精神衛生上よろしい。 そう考えるとモーターは6個まで抑えたい。10個使いたいところを6個!相当設計を練らなければならない。オレンジブックを1ページめくるごとにあまりの機構の巧妙さに嘆息してしまう私には難しいのではないかと思わなくもない。たぶん、もっとレゴ自体に対する理解が必要だろう。 |
*1:http://www.ricoh.co.jp/omoshiro/page/page_2.html
*2:参考→あさま福祉機器開発研究会 自動ページめくり機の開発 : http://kappa.shinshu-u.ac.jp/pageturner/
*3:φは直径を意味する。ここでの単位はすべてmm。