ウイルスバスター2008は2007から大改悪されている件 (4)
Outlook2007のスパムフィルタは「迷惑メールの処理レベル」を「低」にしても過学習による誤判定を頻繁にやらかしてしまう。おかげで私は使い物にならない。
ウイルスバスター2008のほうは、誤判定はかなり少ない。判定レベルを「中」にしていも過学習による誤判定はほとんどない。「低」にして運用した場合、限りなく少ないのではないかと思う。これだけの精度を誇っているなら、「Outlook2007のスパムフィルタは使わずにウイルスバスター2008のみを使えばいいじゃん」と思ってしまうところだが、そうも行かない。
Outlook2007 + ウイルスバスター2008の組み合わせで運用した場合、ウイルスバスターは「迷惑メールフォルダ」というフォルダを作る。これはOutlook2007の「迷惑メール」フォルダとは異なるフォルダだ。
私は業務時間中に来たメールについては電話ぐらいのレスポンスで返信したいので、新規メールが来たときに着信を知らせる音を鳴らすように設定しているのだが、ウイルスバスター2008によって直接「迷惑メールフォルダ」に分類されると、そのメールは未読メール扱いされ、Outlook2007はメールの着信を知らせる音を鳴らしてしまうのである。これでは使い物にならない。
連携性の悪さはそれだけではない。差出人のホワイトリストやブラックリストなどをOutlook2007とウイルスバスター2008とで共有していないので、同時にこの2つのフィルタを使うならば、それぞれ別個に設定してやる必要がある。
そこで、うまい方法を考えた。
Outlook2007は迷惑メールの処理レベルを [セーフリスト]のみにするのである。これなら、知人以外のメールはすべてOutlook2007の「迷惑メール」フォルダにいったん入る。よって知人以外からのメールでメール着信音が鳴ったりすることはない。
そして、ウイルスバスター2008のスパムフィルタの設定で判定レベルを「低」か「中」にして運用する。Outlook2007の「迷惑メール」フォルダに振り分けられたメールのうち、迷惑メールと思しきものをウイルスバスター2008は「迷惑メールフォルダ」に移動させる。ウイルスバスター2008は過学習による誤判定はあまり起こりえないので、結局、「迷惑メール」フォルダに最後まで残ったメールのみをときどき(必要なメールがまぎれていないか)調べるだけで良い。
ウイルスバスターの迷惑メールの分類の精度だが、1000通程度のスパムメールを分類させてみたところ、以下のような結果になった。
・「中」にした場合、迷惑メールの97%程度が「迷惑メールフォルダ」に移動する。
・「低」にした場合、迷惑メールの87%程度が「迷惑メールフォルダ」に移動する。
「中」にした場合でも過学習による誤判定はなかった。サンプル数が少なかったので何とも言えないが、少なくともOutlook2007が「低」にしているのに過学習による誤判定してしまっている10通ぐらいのメールに対しても正しく判定できていた。この設定で運用しても良いかも知れない。
そんなわけで、「ウイルスバスター2008のスパムフィルタはうまく使えばなかなかよろしいですわよ」という話であった。
(つづく)