ウイルスバスター2008は2007から大改悪されている件 (1)

yaneurao2007-11-27



ウイルスバスター2008は2007から大改悪されている件」について書こうと思ったのだけど、スパムフィルタについて世間の人はどうも誤解しているように思うので、まずはそこから書くことにする。


私の手元には一日におおよそ1000通のスパムメールが届いている。
大手blogサイトの管理者には、この10倍から100倍届くだろう。


迷惑メールが届くようになってきたらメアドを変えれば良いと思われるかも知れないが、仕事で使っているとそうもいかない。名刺にメアドを印刷しているなら名刺を作りなおさないといけないし、自分でドメインを持っているとレジストラの情報などからinfo@domain宛に送られてきたりするのだが、このメールアドレスもなるべくなら変更したくない。


仕事用とblogなどに掲載するものとは分けておき、blogなどに公開するメアドは定期的に変更するのが現実的だとは思うが、私は無精者なのでメアドは変更したくないし、そのへんはスパムフィルタに頑張って欲しいと思う。


となると、ベイジアン型で、誤って迷惑メールではないものまでが迷惑メールフォルダに分類されてしまうものは使いたくない。以下ではこの誤判定のことを「過学習による誤判定」と呼ぶことにする。


いまや「定期的に迷惑メールフォルダを調べるのが常識だ」と言う人が多数派だと思うが、毎日1000通ものメールをひとつひとつチェックするのはそれだけでも大きな負担である。この10倍や100倍のスパムメールを受け取っている人はなおさらである。


大量にスパムメールを受信する人にとって、この手の誤判定を起こすようなスパムフィルタは全く使い物にならないことは言うまでもない。あなたは「うちは1日に1000通もスパムメールが来ないから大丈夫だよ」と言われるかも知れないが、1通でも来るということは、その迷惑メールの送信業者が1000倍送信すればあっと言う間に1000通来るようになるのである。だから迷惑メールが1通でも来ている人は、この問題を他人事だと思うべきではない。


この意味において、過学習による誤判定がありうるGmailは使えない。同様にベイジアン型フィルタも使えない。必要なのは100%明らかな迷惑メールだけをまずは除去してくれるスパムフィルタである。あとに残ったものを手作業で振り分けるのはそれほど苦ではない。(ただ、ベイジアンなどでスパムと思しきメールだとわかったならば、そのメールに対してはメール受信音は鳴らないように設定できたほうが良いだろうが..)


迷惑メールフィルタならOutlook2007にだってついているじゃないかと言われるかも知れないが、Outlookの迷惑メールフィルタはWindows Updateによって月に1回ぐらいしか更新されないのである。しかもOutlook2007自体に迷惑メールのレポート機能がないため、リアルタイム性も正確性もウイルスバスター2008に比べると格段に(設計面で)劣る。メアドをころころ変えながら送られてくるスパムメールOutlookで防ぎにくいのは、こういう体制である限り、どうしようもないのだと思う。


つまり、
Gmailベイジアン型のスパムフィルタ → 過学習による誤判定があるので(大量にスパムを受信する人には)使えない
Outlook → スパムフィルタの更新周期が遅すぎる。迷惑メールのレポート機能がないので、メアドと内容をころころ変えながら送られてくるスパムメールがすりぬける。


ウイルスバスター2008のほうは、事前に用意されているスパムチェックに引っ掛からなかったとしても、メール1通ずつサーバーに問い合わせてチェックする機能があるようで、(レポート機能とあわせてこれらが本当にうまく動いているなら)素晴らしい性能を誇るはずだが…。(つづく)