羽生マジック


14日に放送されたNHK将棋トーナメントで、羽生二冠が大逆転をした。王手馬取りがかかって羽生二冠必敗の形勢から、形勢を離されないように妙手を放ち続け、▲2六飛 △9九龍 ▲3八玉 △2六歩のところで逆転。


解説の加藤一二三先生もいい味出していて、既に羽生二冠の逆転勝ちが確定している局面で、羽生二冠の敗因を序盤戦略の失敗と解説してるあたりが最高に面白い。そのあと、羽生二冠の逆転勝ちに気付いて、声が裏返っているところも最高だ。

「後手、2二同じく金」
「あれー、あれ?あれ!? あれ。待てよ。あれー
 あれ。おかしいですね。 あれ、もしかして、頓死!?
 えっと、こういって、あれれ  おかしいですよ
 あれー、あれ、あ・・ 歩が3枚あるから、頓死なのかな
 えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ(と頓狂な声)
 頓死なんじゃないですかね
 あれ!、いや、これ  頓死かもしれませんよ
 なんと! 

ニコニコ動画にも対局動画がupされ、10万再生を突破した。


私が検討した結果は、△2六歩では、△1九龍とするべきで、これが詰めろ逃れの詰めろになっていて、きわどく後手勝ちだと思う。しかし、ただでとれる角も飛車もとらずに香をじっと取っておく手は30秒将棋ではとてもさせそうにない。


羽生二冠の▲9八角と▲2六飛の二手が逆転を誘発するマジックなのだが、この二つの駒だけはぞんざいに指され、駒が傾いたままで盤上に残っているのが印象的だ。


まるで、「すぐに取り返されるはずの駒だからあえて駒をなおしませんよ」と誘っているようにも見える。しかし、この▲9八角を同龍と取る変化や、▲2六飛を同歩と取るような変化は後手負け(羽生勝ち)なのだから、まさにマジックである。



■ 将棋トーナメント 20071014 羽生vs中川 大逆転


http://www.nicovideo.jp/watch/sm1276953


必敗の局面から最後まで。



■ 将棋 第57回NHK杯テレビ将棋トーナメント 羽生善治x中川大輔


http://www.nicovideo.jp/watch/sm1285189


ノーカット版。(1.4倍速再生)


対局棋譜

対局日:2007/10/14(日)
棋戦:第57回NHK杯 二回戦第11局
戦型:相掛かり
先手:羽生善治王座・王将
後手:中川大輔七段

▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7八金 △3二金 ▲2四歩 △同 歩
▲同 飛 △2三歩 ▲2八飛 △3四歩 ▲3八銀 △8六歩 ▲同 歩 △同 飛
▲8七歩 △8四飛 ▲7六歩 △6二銀 ▲4六歩 △6四歩 ▲4七銀 △5二金
▲1六歩 △6三銀 ▲1五歩 △9四歩 ▲9六歩 △5四銀 ▲5六銀 △4二玉
▲7七角 △7四歩 ▲8八銀 △7三桂 ▲6八玉 △7七角成 ▲同 銀 △2二銀
▲4五銀 △同 銀 ▲同 歩 △3三銀 ▲6六銀 △3一玉 ▲1七桂 △4六角
▲3八金 △6五歩 ▲5五角 △同 角 ▲同 銀 △7五歩 ▲2五桂 △2四銀
▲4四歩 △同 歩 ▲6一角 △6二金 ▲3四角成 △4三銀 ▲5六馬 △5四歩
▲4六銀 △8八歩 ▲同 金 △7六歩 ▲5八玉 △3四歩 ▲4七歩 △7四飛
▲2九飛 △5二金 ▲7五歩 △同 飛 ▲6四銀 △7四飛 ▲7三銀不成△同 飛
▲6五馬 △2二玉 ▲3六桂 △6三飛 ▲7四馬 △6二飛 ▲2四桂 △同 歩
▲4一銀 △2五歩 ▲5二銀不成△同 銀 ▲7三金 △2六桂 ▲2三歩 △3三玉
▲4八金 △9二飛 ▲8三金 △6二飛 ▲7三金 △9二飛 ▲8三金 △6二飛
▲7三金 △9二飛 ▲同 馬 △同 香 ▲5一飛 △4一銀打 ▲6二金 △8四角
▲5二金 △5一角 ▲同 金 △6六歩 ▲4一金 △8五角 ▲5一角 △4三玉
▲8四角成 △6七歩成 ▲同 玉 △6四飛 ▲6五銀 △8四飛 ▲7四歩 △7五銀
▲6六銀 △7七歩成 ▲同 玉 △6八角 ▲同 玉 △6六銀 ▲5九玉 △8一飛
▲7七桂 △6八銀 ▲同 玉 △6七角成 ▲5九玉 △7七銀成 ▲同 金 △同 馬
▲4九玉 △8七飛成 ▲9八角 △8八龍 ▲5四銀 △3三玉 ▲2六飛 △9九龍
▲3八玉 △2六歩 ▲2二銀 △同 金 ▲4三銀成 △2三玉 ▲2四歩 △同 玉
▲3六桂 △2三玉 ▲2四歩

まで163手で先手の勝ち