大人のためのピアノ入門(7)

前回の続き。


■ リズム訓練 -- 具体的な訓練方法(2)


次に、この与えられたビートを即座に正確に3等分したり、正確に4等分したりする能力を養う。与えられたビートに対して自分の膝を手で叩いて正しく等分できているか確認する。このとき、ビート自体は、メトロノームで発生させても良い。


次に、右手はビートに対して正確に3等分しながら同時に左手はビートを正確に4等分するような訓練が必要である。このとき正確に等分しようと思うと3と4の最小公倍数である12でビートを分周していなければならない。ところがビートが速い場合、12で分周すると自分のなかでカウントしきれないのでどうしても不正確になる。


だから、ゆっくりとしたテンポで12で分周しながら正確に等間隔に刻む訓練を真っ先にやるべきである。それに慣れてきたらあとは早めていけばいい。


音楽訓練全般に言えることだが、最初は遅いテンポで構わないので正確なタイミング、正確な奏法で弾くことはとても大切である。慣れてくれば速くしていけばいい。この過程を怠ると脳が間違って覚えてしまうので、リズムが正確にとれなかったり、いつまでもミスタッチが減らなかったりする。


リズムの基礎標準版 リズムの練習


リズム訓練のための本はこれまでに紹介してきたが、「リズムの基礎」(こちらは入門用に良い)と「リズムの練習」(こちらは課題が多くてやりがいがある)も興味があればやってみることをお勧めしておきたい。