大人のためのピアノ入門(4)
昨日の続き。
■ 運指について
楽譜の運指(タッチする指番号が書かれた数字)は演奏中にはなるべく見ないようにすべきである。なぜなら、すべての楽譜に運指がついているわけではないからである。
本来は、いま演奏中の小節より数小節先を先読みして、先にある音符に合わせて自分で最適な指使いを瞬時にひらめく訓練をすべきで、運指を見たのでは先読みする訓練にならないし、カンニングしているようなものである。
もちろん、指使いがわからなかったときや演奏前や演奏後に参考のために運指を確認することは大切である。
■ 初見弾きのためのトレーニング教材
「初見練習301」はやさしめのテキストだが、これを一通り初見で弾けるまで反復してやって、そのあとピシュナと並行して全調で弾く練習などをすると良いと思う。 |
|
ジャズやポップスを弾くつもりでいるなら初見弾き用のトレーニングとして、「あきない!ハノン」がお勧め。ゆっくりしたテンポで正確に弾く訓練をして、慣れてくれば徐々に速くしたり、ハノンときにやったリズム変奏を試みると良い。 このテキストはハノン同様、練習効果が非常に高く、短時間で大幅な上達が望める。 |
|
あと、ある程度テクニックが身に付いたら簡単な曲で初見弾きの練習を繰り返ししたほうがいいだろう。お勧めはツェルニーの簡単な作品集だ。「ツェルニーこどものための練習曲」や「ツェルニー 初歩者のためのレクリエーション 解説付」、「ツェルニー5つの音による24の練習曲」などが初見練習にもってこいである。 しかしツェルニーと言えば、百番、百十番、三十番、四十番、五十番が有名で、これが定番のレッスンコースなのだが、テクニックに偏りがあり「ツェルニーを練習してもツェルニーしかうまくならない」と批判されることもあるぐらいなので、「これらの曲を完璧にマスターしよう!」などとは決して考えないほうが良いと思う。ピアノの演奏技術が総合的に上達した結果、自然と弾けるようになっていた、というのが望ましい。 |
(つづく)