ニコニコ動画はビジネスとして成立するか

動画にコメントをつけられるサービスにニコニコ動画というのがあって、これが短期間で2億PV達成という驚異的なアクセスを集めているのは周知の事実である。


いまさらあえて指摘するまでもないが、ニコニコ動画で見れる動画のうちの大半はシビアに評価すれば何らかの著作権を侵害している。ヒット曲を無断使用していたり、人気アニメを加工していたり、ビデオゲームの映像をそのまま加工しているものもある。


それぞれの動画に対して、ニコニコ動画の運営側にフィードバックする仕組みはあるのだが、現在のところ「情報提供の理由」として

・性的表現が含まれる動画である
・暴力的表現が含まれる動画である
・残酷な表現が含まれる動画である

の3種類しか選択肢がない。


権利侵害対応フォームは

SMILEVIDEO」では通常の方式による動画の削除申立て受付フォームのほか、所定の情報を事前登録していただいたうえで、専用の受付フォームを用いて各権利者(法人)からの削除申立てを受け付けるシステムを現在準備中です。

詳細についてはシステムが完成次第当サイトにてお知らせいたしますので、今しばらくお待ち下さい。

となっている。やる気がないにもほどがある。これでは削除する意志は皆無であるとみなされても仕方がないだろう。著作権を保持している側(例えばテレビ局など)は、ニコニコ動画を自社で権利を保有する映像などが無断で流用されていないかを毎日監視しなければならないのか?それだけでも大変なコストである。


だからと言ってニコニコ動画運営側が著作権侵害に対してシビアに取り締まってしまうとニコニコ動画のコンテンツ自体が空洞化してしまう。ニコニコ動画が人気を集めたのは、動画に対するリアルタイムコメントを共有出来ること自体が画期的だったというのもあるが、それ以上に(著作権侵害を犯している)コンテンツを自由に配信できることに価値があったからだ。


しかしいまのままのニコニコ動画では大手のコンテンツホルダー(大手映画会社など)から遅かれ早かれ著作権侵害で訴えられるだろう。そのときニコニコ動画YouTubeを規範にもっと厳しくコンテンツを取り締まるのか、2chのようにボランティアの削除人を投入するのかは知らないが、なんとかして後世まで生き残って欲しいサービスだと思う。