AdSense is Dead. 〜 AdSenseについて知っておきたいこと(2)

ユーザーがクリックするとサイトオーナーに報酬が入る広告はクリック報酬型広告と呼ばれる。AdSenseもこのクリック報酬型広告である。クリック報酬型広告は、コンテンツの内容になるべく関連があるほうがクリックしてもらえやすい。そこで、AdSenseではコンテンツマッチという仕組みを採用し、コンテンツの内容に合致した広告を出す。


ところが、AdSenseコンテンツマッチの部分を自動化している。そのアルゴリズムは公開されていないが、おそらくGoogle検索エンジンクローラーがキーワード抽出するときと同じようなアルゴリズムであると思われる。


はてなダイアリーではコンテンツマッチのせいで同じ広告が出続け、クリックしてもらえないという状況が続くことを前回説明したが(id:yaneurao:20070412)、仮に同じ広告が出続けるということを避けられるとしても、コンテンツマッチにどれくらいの価値があるのだろう?


猫blogであれば、猫好きが見にくるので猫やペット関係の広告が出ればクリックしてもらえる可能性は高い。ところが、このblogのように雑多な内容を扱ってしまうと訪問者の層にばらつきが出る。こういう状態でコンテンツにマッチさせる意味はほとんどない。おそらくコンテンツにマッチしていようがいまいがCTR(Click Through Rate)はほとんど変わらないのではないかと思う。


CTRが同じならばクリック単価の高い広告が出たほうがサイトオーナーにとっては得である。広告主は特定のキーワードに対して値段を決めて広告を出すわけだが、キーワードによって入札価格が異なる。コンテンツマッチにほとんど価値を感じていない広告主もいるわけで、そういう広告主は、安い単価のキーワードにかたっぱしから入札する。有名な業者ではハーバライフ系がそれである。


サイトオーナーからすればこのように安い単価の広告は甚だ迷惑な存在であり、キーワードとなんの関係もない広告なので訪問者にクリックしてもらえる可能性も低く、徹底してフィルタ指定して排除しなければならない。しかしAdSenseではフィルタ出来る件数には限りがあるので、どこかで限界に行きあたる。


要するに雑多な内容を取り扱うblogなどでは、このフィルタの制約のせいと、コンテンツマッチに対する価値が薄いのとで、AdSenseを張ってもインプレッションの割には収益を見込めないという結論になる。