バレンタイン

エロ同人誌


プロのエロ漫画家をやっている女の子からバレンタインに同人誌とサイン入り色紙が届いた。


思い起こせば、私が学生のころには、私には何人かのお絵かき仲間が居た。サークルと呼ぶのも憚られるほどのあまりにも小さな活動だった。


その活動に関与していたのは、私を含めて5名だけだった。しかし、この後、このメンバーのうち、たった一人を除いて全員がプロの漫画家になろうとは誰も予想だにしなかった。もちろん、その「たった一人を除いて」の「一人」が私というわけだが。


この贈り物をくれた彼女なんか、私が彼女をエロ漫画家の道に引きずり込んだようなものだ。その張本人である私はとっとと漫画家への道を放棄し、かと言って、どこか未練を捨てきれず、私はなんちゃら賞に応募すべくシナリオを書いたり、(プロとして)エロゲーを作ったりとどことなく彼女とのわずかな接点を保とうとしながら中途半端に生きながらえてきた。言わば、私は漫画家として落ちこぼれだったのである。