100人の村は楽園だった
今日はとても素敵な文章に出会えた。
『100人の村は楽園だった』の一節だ。
―――ある日大変なお金持ちが貧しい経験を自分の息子に経験させようとしました。
田舎の知人の家に息子を預けて、世の中のひとがどれほど貧しいのかを見せようと思ったのです。
田舎での滞在を終え帰ってきた息子に父親が尋ねました。
「どんなに貧しいかわかっただろう?」
「そうだね。よくわかったよ」と息子が答えました。
「おまえはどんなことがわかったんだい」
息子は答えました。
「僕たちの家には、籠の中の鳥は1羽しかいないけれど、あの農家には犬と牛とたくさんの小鳥がいたよ」
「僕たちの家には庭にプールがあるけど、あの人たちの所には、どこまでも続く川があるんだね!」
「僕たちの庭には夜、まぶしい電灯があるけど、あの人たちの所には夜、満天の星空があるんだね」
「僕たちは小さな地面に住んでるけど、あの人たちの住んでいる所は、見えないぐらい遠くまで広がっているんだね…」
「僕たちには僕たちに奉仕する召使がいるけど、あの人たちはほかの人たちのために奉仕してるんだね」
「僕たちは自分たちの食べ物を買うけど、あの人たちは自分たちの食べ物を育てているんだね」
「僕たちの家の周りには、僕たちを守るための壁があるけど、あの人たちには守ってくれる友達がいるんだね…」
息子の返事に父親は言葉を失いました。 そして息子が言いました。
「お父さん、僕たちがどんなに貧しいかを 見せてくれてありがとう」