儲かる会社の作り方教えます(2)

まず、会社はどうやればお金が儲かるかを話そう。


おおまかに言って、


  入ってくるお金 ≧ 出ていくお金


になればヨロチイ!(`ω´)
そんなの当たり前だよ!とか言わないで欲しい。これが、たいていの人はわかっていない。


「出ていくお金」は簡単に想像がつく。人件費、交通費、輸送費。それからパソコン買ったら、パソコン代。商品を仕入れるなら、その仕入れ原価。出ていくお金はわかりやすい。


じゃあ、会社に「入ってくるお金」とは、何なのか?それは、どこから入ってくるのか?商品を販売しているのなら、不特定多数から入ってくるだろう。あいにく、販売業ではないので、入ってくる先は限られている。ソフトウェア会社の場合、取引先からしか入ってこない。取引先に自分たちは何を提供できるのか?


一言で言えばサービスである。それは労働力であったり、ソフトウェアであったり、いろいろだろう。仮にソフトウェアを納品してお金をもらうときのことを考えてみよう。そのソフトウェアはその取引先から依頼されたものなのだろうか?もしそうだとしたら、その取引先から「こんなソフトが欲しいのだけど作れない?」と最初に相談されているはずだ。取引先が「こんなソフトが欲しい」と思わなければ、お金はどこからも生まれない。それは、こちらの都合とはまったく無縁の話なのである。つまりプログラムやら何やらを委託されて開発してお金を儲けるというのは、事業計画の立てようがないのである。


比較的大きな会社に勤めていて、そのあと独立して起業しようという人がよく勘違いしているのはそこである。大企業と2,3人の会社とゴッチャにしてはいけない。食べられない餅の絵をいくら描いたところでお腹はふくれないのだ。


一方、自社でソフトウェアを企画し、開発する場合は事情が異なる。その開発したソフトウェアを販売してくれるところを探して販売してもらえば良い。しかしこの場合、販売本数が少なかったり、単価が安かったりすると採算がとれない。


また、開発それ自体に時間がかかるので、その間、社員にお金を払い続けなければならない。たとえば社員2人に30万×3ヶ月=180万。自分たちで作ったソフトウェアが果たしてそれ以上で売れるのか?売れなければ、資本金がどんどん減っていく。売れたとしてもそのお金が入ってくるまで会社を持ちこたえなくてはならない。これは、非常にリスクが高いのだ。


そこで、会社設立後、(資本金が1億や2億あるならともかく数千万以下の会社では)自社開発するというような無謀なことはせずに、外部から小さな仕事をもらってきて、それを無難にこなしていくというサイクルで会社をまずは回していくのが基本となる。


そのためには、信頼できる取引先(仕事をしてもお金をくれないところとかはヤだ!)をたくさん確保することが最優先課題。でもそのためには取引先にどんなサービスを自分たちが提供していけるのかを考えなくてはならない。私の会社で言えば、phpFCS(flash communication server)やらWindowsアプリケーション、組み込み系、ソフトの解析、コンシューマ機でのゲーム開発、セキュリティ関係、画像認識、人工知能、言語処理etc..。これらのサービスを基軸として、ミラクルソリューションを提案し、お金をせしめている。


私が思うに会社を維持していく上で大切なのは、

・アイデア(こうやればお金がもうかるんじゃないかという発想)
・技術力(人が持っていないものをどれだけ持っているのか?あるいは、他の人が出来ることを無難にこなせるか)
・取引先 or 人脈(自分の味方になってくれる人はどれだけいるのか?自分のもとで働きたいという人はどれだけいるのか?)
・資本金(あるいはパンと水だけで我慢して生活する能力)

この4つ。


そんなわけで、取引先も無いような状態で事業計画書を書くというのが、どれだけ無駄な行為なのかおわかりいただけたと思う。目標はきちんと持って、それに向かって突き進んでいく姿勢は大切だけどナ!(`ω´)


しかし、会社を大きくしていくならばどこかで自社開発に乗り換えなくてはならない。資本もそんなに無いまま、自分の信念をかたくなに貫き、パンと水だけで飢えを凌ぎ、最初から自社で開発し成功させてしまう人もときどき居るが、そういう人は(その業界によほど精通している場合は別として)言ってみればクレイジーであり、カミカゼであり、そんな馬鹿にはつける薬はないというか、私ごときがアドバイスできることなんぞ無いのでこのへんで終了である。